#14 鈴宮キヨカの野望
小中高とこれまでの長い間、幼馴染という望まぬ関係を強いられ、鬱屈とした青春時代を送るハメになってきたけど、高校2年になりセージくんと出会ってようやく私にも春が来た!今の私にはビッグウェーブが来ている!
このビックウェーブに乗らないでか!?
今の私には怖い物なんて、無いのですよ!
ということで、今日もセージくんに放課後デートのおねだりをするのです。
「セージくん♪」
『おう、どした鈴宮さん』
「この間貸して貰った本、読み終わったの」
『お、どうだった?最後泣けた?』
「うん!もう涙腺大崩壊だったよ! すっごい良かった!」
『そっかそっか、ウチの母親に言ったらきっと喜ぶな』
「そ、それでね、次の本を借りに行きたいんだけど・・・今日、セージくんのお家に行ってもいい?」
『え?今日? 急だな。まぁ良いけど』
「ホント!? ヨシッ! 今日はバッチリ勝負下着で来てるからね!」
『コラ、なんで勝負下着で来る必要があるんだよ!』
ふふふ、今日もセージくんのお家でいっぱい甘えるんだからね!
しかし、この日も勝負下着の出番は来なかった。
また別の日。
凄い!
セージくんに勉強教えて貰ったお蔭で、順位がすっごい上がった!!!
自分でもビックリ!
これもセージくんの深い愛のお陰よね!?って思ったら、嬉しくて嬉しくて、思わず泣いちゃったよ。
やっぱりセージくんは凄いなぁ
気遣い完璧だし、愚痴も悩みも全部聞いてくれるし、困った時は助けてくれるし、勉強教えて貰ったらすっごい成績上がっちゃったし、趣味は同じ読書で本の好みもバッチリ合うし、おまけに大福買って来てくれたりお汁粉食べに連れていってくれるし、これで惚れるなっていうほうのが無理だよね!
ってことで、勉強教えて貰ったお礼ということにして、再びウチに招待して、今度こそ二人っきりで甘々タイムを過ごすことに。
「セージくんセージくん♪」
『おう、どした鈴宮さん』
「セージくんのお蔭で試験の順位上がったでしょ?」
『う~ん、俺のお蔭っていうか、自分で頑張ったからでしょ?』
ホント、セージくんって謙遜して恩着せがましくないし、どこまで素敵なの!
「そんなことないよ!セージくんのお蔭だし!」
『わかったわかった、そんなにムキにならなくていいから』
「そ、それでね、またお礼がしたくてね、今度の土曜日ウチでお昼ご飯ご馳走したいんだけど・・・」
『え?鈴宮さんの家で? 鈴宮さんが料理してくれるの?』
「うん、一応わたしが作ろうかと」
『行く! 同級生の女子の手料理! 是非行きます!』
「ホント? 来てくれるの?」
『おう! 憧れの同級生手料理! 行くしかないでしょ!』
「じゃぁじゃぁ、今度の土曜日ね! 腕によりをかけて頑張るから!」
そしてそして土曜日。
お昼に、ハンバーグとミートソースのスパゲティに、エビフライとイカリングとサラダ、あとはコーンポタージュを作った。因みにハンバーグはハートの形をした力作だ。
『う~、調子に乗って食べすぎた・・・しかし、鈴宮さんって料理上手いんだね。 ホント美味しかったよ』
「ホント!?じゃぁ、私お嫁さんになれるかな?」
『そうだね。料理上手で可愛い子なら、いくらでも嫁の貰い手あるだろうね』
ん?
私はセージくんのお嫁さんになる話ししてるんだけど・・・微妙に噛み合ってないね・・・
「せ、セージくんはどう? 私のことお嫁さんとして見て・・・」
『え? 俺のお嫁さん? う~ん、どうかな~?』
「やっぱいいです・・・答えてくれなくて・・・」
自分で聞いておいて、嫌な予感しかしない・・・
しかしセージくん
他人のことだと、物凄い鋭いのに、自分のことだとすっごい鈍感なの、なんとかならないかしら・・・
ヨシ!決めた!
こうなったら押して押して押しまくって、押し倒してでもセージくんのこと絶対落とすよ!
セージくんのお嫁さんに絶対になるんだから!
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