#13 がっかり鈴宮、好成績に泣く




 もうすぐテスト週間

 中間試験が2週間後に控えているのだ。


 とは言え、図書当番はテスト週間だろうとある。

 何故なら、テスト週間になると図書館の利用者が増えるからだ。

 実際には、読書や本を借りにくるのではなく、テスト勉強をしに来る人が増えるんだよね。



 ってことで、今週も鈴宮と図書当番。


「セージくん! ちゃんとテスト勉強してますか?」


『まぁボチボチだね。 そういう鈴宮さんはどう?』


「わ、私はばっちりですよ!」


『へぇ~、鈴宮さんって見た目だけは優等生っぽいしね。やっぱり勉強も出来るんだ』


「ううう、見た目だけとか・・・それに勉強が出来るとは一言も・・・」


『え?でもちゃんと勉強してるんでしょ? っていうか、鈴宮さんって学年順位どれくらいなの?』


「そ、それは聞かないで・・・」


『とか言いながら、結構上位なんでしょ?』


「ううう、お願い許して・・・」


 で、おだてて吐かせたら、俺より悪かった。

 っていうか、鈴宮のイメージ台無し。


『鈴宮さん、君の大人しそうで優等生っぽいイメージが、また音を立てて崩れ始めているよ。 君って見掛け倒しだったんだね。がっかりだよ』


「ううう、見掛け倒しなのは認めますけど・・・がっかりとか言わないで下さいよ!」


『はぁ・・・じゃあ、今度勉強会でもしよっか? 勉強真面目にしててその成績は、色々問題だよ?』


「勉強会!? やります!やりましょう! 今度こそ勝負下着ばっちり準備しますんで!」


『だから、なんの勉強会やろうとしてんだよ!』



 俺と鈴宮のこれまでの学年での順位は


 俺が、300人中、50~80位くらいをウロウロとしてる。

 そして鈴宮、150位を超えたことが無いらしい。 200位前後をずっとウロウロ。


 二人の目標を、俺が50位以内、鈴宮は150位以内に設定して、テストまで毎日みっちり勉強会をすることにした。



『とりあえず、苦手な教科と得意な教科はどれなの?』


「苦手なのは数学で、得意なのは現国です・・・」


『現国はすること無いんだよなぁ。とりあえず数学やるか』

『まずは、問題集とか一切手を出さないで、教科書の範囲内の問題だけを徹底的に覚えようか』


 そう言って、東雲式勉強法を鈴宮に伝授していった。


 勉強会は、平日は学校の図書室で。週末は鈴宮の家に行ってやっていた。

 流石に真面目に勉強していたので、鈴宮のお母さんもあまり邪魔をしには来なかった。





 そして試験の結果は

 

 俺は30位になり、目標の50位以内を達成。

 鈴宮も120位と大幅アップして目標を達成した。


 鈴宮は自分の順位を見て、教室にもかかわらずマジ泣きして大喜びしていた。


 テストの結果でここまで泣く奴、初めて見たよ。

 しかも120位っていう中途半端な順位で。

 流石、鈴宮。変な奴。



 因みに飯塚は、元々は一桁順位の常連だったらしいが、今回100位くらいまで落ちてたらしい。

 ケーキ盗み食いした罰が当たったな! ザマミロ!


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