第4話 情報収集は基本
第4話
詩織side
「成程、これが一目惚れかぁ…」
お母さんがあれ程盲目になるのも解る気がするな…
これ程胸が高鳴ったの初めてだ。
胸が締め付けられる程にドキドキしたのは初めてだ。
全てを奪いたい、独占したいと思ったのは初めなのだ。
はは、変なフェロモンでも出てるのかもしれない。
でも…
「彼の心はどうなのだろうか?悪意は誰にでもあるのは解ってるけど、彼の心まで醜かったら耐えられない…」
今の私じゃ会えない!
こういう時は、本当に姉の天然っぷりが羨ましい。
「お姉ちゃん、彼の事は頼んだ!私は彼の情報を集めてくるわ!」
「うん!頑張ってね!」
私はまず情報を集める事にした。
好感度アップは姉に任せよう。
天然ホワホワパワーには誰も勝てないのだ。
はは、こんなに楽しいのは初めてだ!
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ふふ、調べた。
調べまくったよ。
いやぁ、楽しかった。
「彼の名は霧崎 竜馬。二十歳独身、運動や勉強も出来るが、今ひとつ器用貧乏な男。昔事故にあって記憶喪失だが、そんな事も気にせずに生きる格好いい人だ。ただ、特定の仲の良い存在を持たす、サークルの中でも孤高を貫くこれといって特徴のない…私達以外には影のうすい男さ…」
あれ?今、私は何を言っていた?
ナニカに取り憑かれていた様な気分だ…
まぁ、良い。
彼が実家暮らしなのも、把握した。
ただ、彼のお義母さんは忙しくて滅多に家に帰らないらしい。
さて、じゃあどう動くとしますかね?
よし、まずはひっそりと外堀を埋めるとしますかね。
「どう、お姉ちゃん?仲良くなれた!」
「うん!この前なんか、手作りのクッキーをくれたんだよ!」
(美味しかったよ!)
「えっ、羨ましい…」
「大丈夫だよ、余りのクッキー!」
(取っておいたよ!)
「ありがとうお姉ちゃん!大好き!」
「私も大好き!」
(私も大好き!)
あっ、本当に美味しい…
おっと、そうじゃない。
まずは…
「お姉ちゃん、今度竜馬さんを誘ってくれない?」
「良いよ!私も一緒にお出かけしたいと思ってた所だし♪」
よし、これで少し彼を試してみよう。
さて、果たして彼は私達に気が付けるかな?
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「お待たせ、竜馬さん!」
(はは、何着てくか迷っちゃった…)
「別に…俺も今来た所だ。」
(何着てくか迷った。デートとか初めてだから、めっちゃ困ったわ…)
よし、此処までは来れた!
後は…
…私達が入れ替わった時に、彼が気が付けるかどうかだ。
ふふ、信じてますよ竜馬さん?
続く
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