第5話 ホラーは突然に

第5話


竜馬side


「って、此処は金剛神社じゃん…。お参りでもする気か?」

「違うよ。ガチなお祓い。」

「はぁ?お前、そんな事できるのか?」

「出来るよ、神社の娘だもん♪」

「そっか、神社生まれなら当然だな。」


俺の知ってる寺生まれのTさん(該当人数二人)もそうだったしな…


「じゃあ、着いてきて…」


俺は彼女に連れられて神社の中に入っていく。


そして、奥にある部屋、更にその下にある地下の部屋へと辿り着くと…


「何この雰囲気ある部屋、怖いんだけど…」

「そういう部屋だからね…」


灯りは蝋燭のみ、今にも呑み込まれそうな暗闇が広がり、辺りには読めそうにない文字が書いてある札が貼ってある。


えっ、もしかして…


「じゃあ、此処に入っててね!」

「やっぱり、か…」

「大丈夫、最近はコンプライアンスとか気にして、トイレも隣に設備してあるし、近くにキッチンもあるの。腹が減ったら、何か作ってあげるわ!」

「虐められてるのか、いたれりつくせりなのか解らんな、これ…」


絶対に住みたくない、住み心地の良い部屋とか矛盾塊過ぎるだろ…


というか…


ドンッ!


「ひっ、純粋に怖い…」


先程から、一定の距離から悪霊が動かず、見えない壁を叩く様な音が響き渡り続ける。


ドン!ドン!ドン!


ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!


『入れて、入れてよ、リュー君…』

「…成程、これがホラー映画の主人公達の気分か。」

「これから、もっと楽しめるわよ?」

「はっ、全部返品したい気分だ。」

「残念ながら、クーリングオフは受け付けておりませんので、悪しからず…」

「最悪の店だな、今度クレーム付けてやる。」


と、最初は軽い気持ちだった。


今思えば…


…その時の自分をぶん殴って、ラリアットをかまして、全力の飛び蹴りを喰らわせてやりたいです。


続く

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