第4話 そして、彼女も舞台に上がる

第4話


「はぁ、もうゆっくり観察してる暇はないか…」

「はぁはぁ、どういう事だ?」


答えてる暇はない。


増えた気配は遠くに居る。


でも、私達にまで攻撃を届かせた。


『『死ね!』』


声が重なったあの時、あの悪霊は私達(正確には私に)に目掛けて攻撃を仕掛けてきた。


でも、その攻撃を遠くから来た別の攻撃が凪いで、私達に当たった。


デタラメだ…


色んな悪霊を見てきたけど、可笑しい点が多過ぎる。


「おい、どうした…」

「ごめん、今日は一緒に学校をサボろう。」

「はぁ!?どういう事だ!?」

「貴方の取り憑いた悪霊をどうにかしないとヤバそうなのよ!ほら、早く!」

「解った!解ったから、首根っこを掴むな!息が止まるから、現在進行形で!」

「あっ、ごめん!」


ヤバい、悪霊にもめっちゃ睨まれてる…


今回は私が悪いから謝っとくね、ごめんなさい。


「って、そんな事をしてる場合じゃない!ほら、早く行くよ!」

「あっ、引っ張るな!」


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??????side


表があれば裏がある。


裏があれば表がある。


故に彼女は居る。


だか、魂は純粋だ。


欲望の塊であり、互いの影響を諸に受けてしまう。


故に、今回の彼女はでもある。


厄介な女だよね、本当に…


死んでても、生きててもロクな事を彼に与えないなんて。


本当に気持ち悪い生き物だ。


本当なら、私はこんな茶番に手を出すつもりはなかった。


でも、此処だけは見逃せない。


此処は唯一の望みなのだから。


さて、と…


「さっさと起きろ化け物め。」


化け物らしく、あの邪神を喰い散らかしてやれ。


何時だって神様を殺すのは…


…お前の様ななのだから。


…おや?


語り過ぎてしまいましたね。


私の出番は此処で、終わり。


少々、出しゃばり過ぎた様です。


あっ、ちょっ、邪魔しないでアイツー!


私のガシャを勝手に回すな!


…オホンッ、また出会える機会を楽しみにしていますね!



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悪霊side


沈む…沈む……


深い水の底に沈んでいく様な感覚に襲われる。


藻掻いても、足掻いても、全てが無駄に終わった…


時々、大好きなリュー君の声が聞こえる。


それだけが希望だった。


だが…


私に闇が迫っていた。


全てを染める漆黒の闇。


その闇を…私は知っている気がした。


いや、コイツは…


『リュー君!』


リュー君を助けなければいけない!


早くしないと、全てがコイツに!


続く

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