番外編5 太陽系第三番惑星 リュー君
番外編5
拝啓、幼馴染様のリュー君へ。
私は殺されました。
いえ、正確には死ぬ寸前と言った所でしょうか?
まぁ、もう直ぐ死ぬので些細な事ですね。
「はぁはぁ、勝った…仇を取れた……」
感無量そうな息子くん…
ああ、可愛い…
リュー君に似て可愛らしい存在だなぁ…
だから、安心させてあげよう…
「良かったね、私は死ぬよ。私は、ね…」
だから、後は任せたよ私達♪
「ふぅ、やっと出番かぁ…」
「まさか、オリジナルが殺られるとは…」
「オリジナルなるは私達の中で耐久性が最弱だから仕方がないね…」
「でも、仕事が回ってきて良かったよ。」
「うんうん、リュー君の為に働けるのは素晴らしい事だよね。」
「リュー君最高!リュー君最高!貴方もリュー君最高と言いなさい!」
「リュー君の子供という事は、この星の宝物。故に、私達が導かなければいけないのでは?」
「確かに!星の終わりを一緒に見届けなければ!」
「待て、この子の種を使って、この星を作り変え、新たなリュー君が生まれる様にすれば良いのでは?」
「名案だね!それも検討してみよう!」
リュー君の意志のままに、ね。
「え、何で、お前が何人も………」
「あ、ごめんね置いてけぼりにしちゃったね。私達は人工知能搭載人型マシーンなんだよ。」
「オリジナルなる素晴らしい概念をラーニングされ、リュー君の為に動き、リュー君の為に働き、リュー君の為に壊れる素晴らしきAIさ!」
「でも、困った事に愚かなシンギュラリティに達する子も居てね。」
「ソイツは私達で廃棄したよ、要らない子だもん。ゴミはゴミ箱に。基本だよね?」
裏朱里はリュー君の為にあらゆる分野に手を伸ばしていた。
そして、それを成功させるだけの才能を持ってしまっていた。
それが世界の不幸である。
故に、全ての行動は無意味なのだ。
既に種、カードは配り終わっている。
そこに純愛がある限り、あらゆる形で雨崎 朱里は何度でも蘇る。
何度でも、何度でも…
つまり…
「チェックメイトだね、息子くん♪」
「大丈夫、怖がらなくて良いよ。」
「君のお父さんの魅力をたっぷりラーニングさせてあげるだけだから。」
「はい、深呼吸。すっきりするよ♪」
「性処理だってやってあげるよ。そういう担当も居るもの。」
「宝の持ち腐れにならなくて助かったよ、ありがとうね!」
最後の希望は、世界を染める純愛な闇に染め上げられた。
この世界、地球が死んでしまった瞬間である。
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この宇宙には太陽系という場所がある。
そこの第3番惑星にはかつて地球と呼ばれる星が存在した。
…今は?
見れば解るさ…
「リュー君!」
「
「リュー君!」
「
「リュー君!」
「「「「「「リュー君!リュー君!リュー君!リュー君!リュー君!リュー君!リュー君!」」」」」
皆が幸せにそうにリュー君を信仰しているだろ?
人も獣も人工知能も、心ある全てがリュー君の為に生き、その全てをリュー君に捧げる素晴らしい姿だよ。
ここは太陽系第三番惑星、『リュー君』。
誰もが幸せになれる、素敵な星さ。
続く
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