第13話 最後に勝つのは私
第13話
表朱里side
「はぁはぁ、私の勝ちよ…」
遂に勝った。
この
思えば、コイツにはずっと負けていた。
事故に合い、私の身体の主導権を握られてからずっと…
一、十、百、千、万、億、どれだけやり直しただろうか?
それでも、コイツには勝てなかった。
どれだけ取り戻せる時間が増えても…
どれだけ普段のコイツの思考や行動に影響を与えられる様になっても…
根本的な所でコイツには敵わなかったのだ。
でも…
「勝った、勝ったよ、リュー君…」
もう、リュー君がコイツに苦しまれる未来はない。
もう、リュー君がコイツに傷つけられる日は来ないのだ。
しかし、そんな余韻に浸るのすらこの
「嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!」
もう直ぐ死ぬと言うのに、無様にも泣き喚いている。
もう一人の我ながら恥ずかしい。
潔く死ねば良いのに…
「嫌だよぉ、死にたくないよぉ、助けてよぉ…」
死ぬ間際まで、そんな事をほざく
はぁ、本当にバカバカしい…
だが、あろう事にコイツは…
「助けてよぉ、リュー君!」
「黙れ、クソ女。」
トドメを刺した、流石に今の言葉は聴き逃がせなかった。
どの口がそんな事を言えるんだ、コイツは!
「リュー君を傷付け、その
自惚れるなよ、
それに良い事を教えてやるわ。
どの世界でもお前は自分から振り払ってたよ…
…本当に救いようのない愚か者だ。
「…はぁ、疲れた。精神世界なのに疲れた気分だ。早くリュー君に会いたいな…」
もうやり直す必要もない。
…いや、まだもう一回やらなきゃな……
何時までも都合の良い夢を見てる訳にはいかないんだね…
本当に世界は残酷…
でも、やった意味はあったかな?
初めて、自分の意思で、自分の純潔をリュー君に捧げれた訳だし…
終わりの鐘が頭になり響く。
自分自身との決着、この世界の終了を告げる鐘の音が。
「待っててね、リュー君。これが私の最後の愛、歪に捻りに捻った愛情行動だから…」
続く
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