第8話 高校生は区切りの時間
第8話
俺達は高校生となった。
勿論、同じ高校生である。
まぁ、同じクラスには流石になれなかったが…
中学?
普通に孤立したままでしたが?
二人ぼっちである。
体育祭も文化祭も修学旅行も俺と彼女の写真で一杯である。
だが、朱里は悲しい事に写真写りが異常な程に悪いのだ。
撮る度に、二人居る様な写真が出来上がるのだ。
俺も彼女も、そんな些細な事は気にせず大切に持っているが…
「なぁ、朱里…」
「何、リュー君?」
「何時も一緒に居てくれてありがとうな。」
「ふふ、私こそありがとう!」
これが何時もの日常。
だが、後少しで時が来る。
俺はそう思わずにはいられなかった。
何が来るかは解らない、だけど必ず来る。
そう確信していたし、疑う余地もなかった。
訳が解らないが、俺は行動に移した方が良いのだろう。
むしろ、行動に移さなければ後悔する。
だから、俺は…
「朱里、お前に伝えたい事がある。」
「うん。何、リュー君?」
呼吸を整えろ。
焦るな、ちゃんと伝えろ。
…俺の想いを!
「朱里、俺と付き合ってくれ!」
「うん!嬉しいよ、リュー君♪」
「えっ、良いのか?」
「当たり前だよ、リュー君♪それ以上言うと、イチャイチャの刑だよ?」
「それは…ぜひ受けさせてください!」
「私も人の事言えないけど、リュー君も大概欲望に忠実だよね。」
こうして、俺達は交際する事となった。
後は結婚だけである。
どうしようか?
朱里と相談して、親に土下座でもして婚約でもさせて貰おうか?
婚約指輪、何を買おうか…
後で探してみようっと…
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表朱里side
やった!やっと、リュー君が告白してくれた!
ああ、あの悪夢が晴れていく。
ほんの少しだけ私は救われた。
まぁ、これは自己満足な自慰みたいな物だ…
でも、嬉しい物は嬉しいよね♪
(嫌だ、嫌だよ…)
「抵抗しても無駄だよ、もう遅いんだもん♪」
化け物の鳴き事が聞こえるが、無視無視っと。
はぁ、本当に最高!
これからどうしようかな?
デートも良いね、キスするのも良いね、少し頑張って喪失しちゃうのも良いかも!
キャー、楽しみが一杯♪
(やめて、汚さないで…)
汚す?むしろ、清める行為だよ。
ていうか、私を散々汚してきたのは
「さて、これからが楽しみだ!」
私達のラブラブ人生は此処から始まるのであった!
「でも、時間は少ないか…」
そう、喜んでばかりはいられない。
やりたい事は一杯あるけど、時間は待ってくれやしないのだ。
本当に運命や世界は残酷だ。
私も化け物とか散々言われたけど、所詮は一人の人間という事なんだろう…
「まぁ、それまで楽しもう!」
(嫌だ、許して、見たくない…)
煩いなぁ、これ…
意識を残したのを少しだけ後悔しちゃうな…
まっ、消したら意味はないのだけれど…
「せいぜい、喚いてなよ。自分の罪を理解するまでね…」
何となく、無理な気はするけどさ…
続く
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