第6話 高橋家の血

第6話


知らない男子(見覚えがないので多分上級生?)に連れられ、後を着いていく俺。


この後の展開は予想が付く。


こういう修羅場に対しては、親や叔父、伯母や祖父から沢山聞いた物だ。


『時代遅れな暴力を振るってくるバカも居る』と…


女難クソ爺の祖父は修羅場に巻き込まれ、刺された事もあるらしい。


まぁ、普段の光景から女に刺されてもしょうがない人ではあった。


尚、刺してきたのは男らしいが…


その男は務所から出た後は近所でトラックに轢かれたらしい。


…怖くね?


そんな風に呑気な事を考えていると…


「お前か…あの雨崎と一緒に居るっていうナメた一年は……」


コイツ、見覚えあるな。


確か、雨崎を手紙で呼び出そうとしたけど、秒で破り捨てられて無視された上、直接挑もうとしたら、ガン無視決められて、下手な事をしようとした瞬間に朱里に投げられた可哀想な奴だ!


先輩だったのか…


しかも、周りには威厳が有りそうな態度取ってる…


俺?


ある訳ないじゃん…


ていうか、朱里に手を出そうとしてる時点でコイツは俺の敵だよ…


「何の用ですか?」

「お前みたいな奴が何故雨崎と一緒に居るんだ!」

「うわっ、出た!僻みから出てくるテンプレナンバー3!」


因みに2は『お前と彼女は釣り合わない!』、1は『リア充爆発しろ!』だ。


個人的な統計だから、皆は鵜呑みにしないでね♪


「バカにしてるのか!」

「はい、大真面目にそうさせて貰っています!朱里に相手にされなかったから、俺に手を出そうとする負け犬根性とかマジパネェっす!」


こういう相手には先ず煽れ。


そうすれば、バカは顔を真っ赤にして墓穴を自分から掘ってくれる。


そう、親父と叔父は行っていた。


何処か遠い場所を死んだ目で見ながら…


色々あったのだろう、色々と…


俺や従兄弟(姉妹)達は聞くのをやめた。


聞いたら重そうな答えが返ってくるのは解ってるからだ。


実際にされて潰れたバカ(実験体)も居たし…


「ふざけるな!おい、お前らやっちまえ!」

「まっ、そうなるよね。本当に単細胞だな、ゾウリムシの方が頭良いんじゃないか?」


単細胞生物だけに…


さて、じゃあやるか…


「かかってこい、雑魚ども。此処から先は俺の独壇場セカイだ!」


因みに、これは朱里が趣味で書いてる漫画の主人公の台詞である。


カッコいいよと褒めたら、その漫画で渾身の一撃を喰らいました。


解せぬ…


「後は任せたぞ、朱里…」


彼らは気が付いていない…


俺はこんなバカな奴等に正面から付き合う訳がないだろう?


「お前ら何をやってるんだ!」


ほら、お前らの天敵がやってきた。


続く

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