第13話 死相

第13話


占いをして貰った結果、不安が残る結果となってしまった。


やって貰うんじゃなかったかな…


でも、香織は喜んでるみたいだし、別に良いか。


「さて、そろそろお参りして帰るか。」

「そうだね、そろそろ日が暮れそうだ。」

「そっか。じゃあね、お二人さん♪」

「ああ、ありがとう金剛!」

「感謝するよ、金剛さん。」


と、別れを告げる俺達。


だが、金剛は去り際に香織に近付き…


「気を付けてね、花崎ちゃん。彼には死相がくっきりと見えた。幾重にも重なってね。」

「…それは!?」

「バイバイ♪」


と、ボソボソと二人で喋って帰っていった。


「何言われたんだ?」

「いや、別にどうでも良い事だよ。君には全く関係ない事だ。」

「…そっか。言える様になったら言えよ。」

「うん…」


全く、何を言いやがったんだアイツ…


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キラリside


「何あれ…マジ怖い……」


私は興味本意で関わった事を少し後悔していた。


家に帰ってきたら、今学校で密かにホットになってる噂の二人が居たのだ。


そりゃ関わらない方が損である…


だが…


「何であの男は生きてるの?」


驚いたし、怖くなった。


花崎ちゃんの方はまだマシだ。


少しだけ男に振り回される未来が見えただけだ。


だが、あの男の方は違う…


「幾重にも死相が重なり合って生きてるなんて、奇跡にも程がある…」


しつこい染みの様に、幾重にも死相がへばり付いていた。


しかも、明らかに別の要因の物達が重なってだ。


ある意味で特別、悪い意味で異常なのだ。


「でも…」


面白そうと、私は思った。


私はそういう恐怖を抱く物、明らかに可笑しい物を好いてしまうタイプだ。


何度か告白された事はあるが、そこら辺の男じゃ満たされなかった。


だから、怖いし、後悔こそしてる物の、心の底から嬉しく思う自分が居る。


「まだフリーっぽいんだよね、あの感じ…」


あの二人は、お互いにお互いを縛っているだけの関係に見えた。


いや、きっとそうなのだろう。


なら、付け入る隙は必ずある筈だ。


彼は私を満たしてくれる男なのかもしれない存在なのに、逃がす手などない。


「私が近付いて行ったら、どんな反応を見せてくれるんだろうなぁ…」


本当に楽しみだ…


まるで蛇の様な笑みを浮かべ、彼女はベッドへと沈む。


「また明日ね、死相くん♪」


そして、彼女は眠りに落ちる。


明日からの日々に希望を抱きながら…


その判断が自分も彼の死相に巻き込まれにいくという事に、微塵も気が付かず…


続く

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