第12話 信じるか信じないかは貴方次第…

第12話


100発100中か…


凄い命中精度だな…


「おや、君は確か我が学校が誇る学年1位の花崎ちゃんじゃん!」

「ああ、そうだけど…君と話した事はないと思うんだけど…」

「いやぁ、もしかして自覚なし?君、かなり有名人だよ?」


へぇ、そうなのか…


興味ないから、全く知らなかった…


「勿論、関係なさそうにしている君もだぜ!」

「えっ、俺もか?」

「そうそう!最近、我が学校の誇る天才美少女に纏わり付く害虫としてね…」


俺、害虫扱いなのか?


むしろ、アリとアブラムシみたいな関係だと思ってたんだけど…


どっちがアリかって?


勿論、香織の方がアリだよ。強いし…


「それは酷いね。むしろ、そんな事を言っている奴等の方が害虫だろうに…」

「私もそう思うよ。直接言えば良いのにね!」


と、話す彼女達。


見た目は清楚系女子と、チャラチャラ系ギャルだが、以外と感性が合うんだなぁ…


「で、何でこんな所に来てるの?」

「お参りだよ、此処で不幸を払えると思ってね。そういう君は?」

「私は此処が実家なの?色々と面倒な事にね。」


と、サラッと言う彼女。


へぇ、そうなのか…


確かに実家が神社なら色々と面倒そうだもんな…


「それに家は基本的に恋愛成就の神社だよ?不運は祓えないと思うけど…」

「なら、尚更良かった。私達の不幸は基本的に、そちら方面だからね…」


確かにその通りだ。


なら、精一杯祈っておこう。


当分の間、面倒事が起こりません様に…


「そうだ、なら占ってあげよう♪」

「占い?良いのかい?」

「えっ、面倒なんだけど…」


おれ、これ以上気になる占いを増やしたくないんだけど…


唯でさえ、朝の占いも気にしようとしてるのに…


「別に良いよ!それに、君達を占ったら面白い物が見れそうだしね♪」


と、シャッターを取る様なポーズを取る。


えぇ…そんな感じで占うの?


まさか、「さとります。」とか言う訳じゃないよね?


「ふーん、やっぱり面白いね君達!」

「あれだけで占えるんだな…」

「最初は戸惑うって聞いてたけど、アレは確かにその通りだね…」


本来なら水晶玉とか使ってやるものだろ、本格的な占いって…


「一応出来るよ?まぁ、面倒だからコッチでやってるの…」

「何で解るんだよ…」

「顔にそう書いてたもん♪」


マジか、俺ってそんなに読み易いのかな?


「それでね、まずは花崎ちゃんから♪」

「良いよ。何が見えたんだい?」

「そうだね。君は色々と男に振り回される運命だね。」

「ある意味、当たってるね…」

「でしょ?でも、どんな時もヒーローが守ってくれる…」

「ヒーロー、か。頼もしいね…」


ん?何で俺を見るんだ、香織?


「鈍感な所がたまに傷、らしいけどね。」

「確かにその通りだ。噂通り、噂以上の腕前だ!ありがとう、えっと…」

「私の名前は金剛…金剛キラリ♪覚えてね♪」


ピカッという擬音が聞こえるくらい、眩しい笑顔だった。


凄いな、これがギャルなのか…


「で、そこの男子の方はね…女難の相がしっかりと出てたよ。」

「マジで!?」


確かに不運だけどさ…


振られるって女難の相に当て嵌まるのだろうか?


「それに気を付けてね?」

「何にだ?」

「君に迫る危機は君のすぐ側に居る。見える物だけ信じ、聞こえてくる物だけを受け取らない様にね。」

「それだと、これも疑わなきゃいけなくなるぞ?良いのか、それ?」

「良いよ。所詮は占いだしね♪」


いやはや何とも…かなり上手な人間だ。


どうしようもなく、信じたくなる。


俺達は凄い人間に会ったのかもしれないな…


続く

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