第4.5話 バッドエンド1 早すぎるお別れ
第4.5話
Bルート
容認する
「…解った。俺は此処で待ってるから、早く帰ってこいよ。」
「ああ、勿論さ。」
と、俺は香織を見送った。
その判断を後悔する日が来る事を知らずに…
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香織side
私が通ってきた道を少しだけ遡ると、彼女を見つけた。
「やぁ、朱里くんだっけ?」
「あっ、リューくんと一緒に居た…」
彼女は明らかに落ち込んでいる様子を見せていた。
そんなに落ち込むのなら、何故あんな事をしたのだろうか?
いや、自覚がないのかな?
それはそれで厄介だね…
「…何の用ですか?」
「少し君に言いたい事があってね。」
だから、私が言わせてもらおう。
あの同類は優し過ぎる。
一度でも身内判定してしまえば、あんな態度がせいいっぱいなのだ。
だから、私がやらなければ。
この
「もう同類…竜馬くんに関わるのは辞めたまえ。これだと彼が傷付くだけなのが、まだ気が付けないのかい?」
「なっ!何で貴方にそんな事を言われなければいけないんですか?」
おやおや?
やはり、執着心が強いねぇ。
しかも、私も知っているタイプのだ。
何かが可笑しい気もするが、今は他所に置いておくとしよう。
「彼が私の同類で大切な人だからだよ。もう君が出る幕も、物語も無いんだ。素直に諦めたまえ。」
「そんな!リューくんは私の幼馴染で親友なんですよ!早く返してください!」
はぁ、本当にムカつくなぁ…
この子、人を腹立たせる才能でも持ってるのかな?
「もう遅いんだよ、全てに置いて。切欠はまぁ、竜馬くんが悪いさ。でも、完全にぶち壊したのは君なんだよ。まだ、自覚できてないのかい?」
「ふざけるのも止めてください!私が何をしたって言うんですか!」
此処まで鈍感て自覚無しだと、怒りを通り越えて呆れるよ。
とんだ性悪女だ…
「これ以上は平行線だね。でも、忠告はしたからね。彼の事は、私に任せると良い。」
と、彼女に告げ、私は彼の元へ歩き出す。
彼女は今、どんな顔をしているのだろうか?
まぁ、私には関係な…………………………えっ?
「ぐぷっ、な、何が…」
「何が私に任せてくださいだ。お前なんかにリューくんを任せられる訳がないだろうが、バカ女。」
痛い、胸の方が痛い。
アレ?私、何されて…
「いやぁ、千枚通しってかなり貫けるんだな。これなら、ちゃんと殺せそうだよ。刺さり所が良くても、失血死にもさせれそうだし。」
「あ、朱里くん…」
「ん?まだ、意識があるのかよ?さっさと死んでくれよ、バカ女。」
そして、再び彼女は…
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「遅いなぁ…」
大体、何処に行ったかは解る。
だが、余りにも遅すぎる。
しかも、さっきからやけに周りが煩い。
香織は一体何を…
「リューくん♪」
ちっ、こんな時に…
「しつこいぞ、朱…えっ?」
そこには朱里だけではなく、あらゆる所に穴を開けられ、血を流す香織が居た。
「いやぁ、引きずるの辛かったよ。このバカ女、かなり重いんだよね。着痩せするタイプだったのかな?」
「お前…何して……」
「ごめんね、私に質問しないで。もう直ぐ、答えを聞けなくなるから。」
「はぁ?って、何抱きつい、がはっ!な、に、何を…」
「何って、千枚通しを刺したんだよ。今度は前からだから、ちゃんとハートに刺せれるね♪」
ヤバい、痛い。
意識が朦朧と…
「あれ?まだ死なないな。なら、もう一度!」
「やめ…」
「ダメ♪答えは聞きません♪」
何度も、何度も刺される。
もう痛い所の騒ぎじゃない。
ダメだ、これ…
死ぬ…
「ごめんね。」
えっ?
「朱里の代わりに、私が謝る。傷付けてごめんね。バカなあの子が振っちゃってごめんね。」
それはどういう…
そこで、俺の意識は完全に途切れた。
終わり
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