第5話 同類は慰め合う
第5話
Aルート
制止する
「やめとけ。」
「何故だい?」
「どうせ、朱里の所に行くつもりだろう?」
「何だ、バレてたのかい…」
いや、このタイミングなら普通に解るさ。
俺はアイツほど鈍感じゃないんでね…
「アイツは俺が何とかする。守ってくれるのは良いんだ、それに関してはむしろ感謝してる。でも、過保護なのは俺が嫌だ。」
「…そうだね。それは私も嫌だ。」
「だろ?だから、別に良いんだ。」
「…解った。やめておくよ。」
「ありがとうな、香織。」
「どうたしまして、同類。」
それに、何となく嫌な予感がするしな…
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放課後デート兼荷物持ちが終わり、俺は香織の家に来ていた。
「今日は親が帰るの遅いから、寛いでて良いからね。」
「言われなくても、もう寛いでる。」
「その図太さは流石だねぇ…」
俺は彼女の部屋にあるベッドに寝転び、彼女の小説を読みんでいた。
いや、面白いなこのファンタジー小説。
後で全巻借りようっと…
「さて、何が飲みたい?生憎、ブラックコーヒーしかないのたが…」
「嫌がらせか?」
「冗談だよ。紅茶もあるから、それを入れてくるつもりさ。」
良かった。
あんな苦いだけのヘドロでも、出された限りは飲まなきゃ失礼だからな…
「ほら、紅茶だよ。」
「ああ、ありがとう…」
うん、紅茶なんて久しぶりに飲んだが、美味い物だな…
まぁ、コイツの入れ方が美味いのかもしれないのだが…
「さて、どうする?」
「そうだね、今日もお願いするよ…」
「毎回思うけど、良いのか?」
「毎回聞くね、君は。別に良いよ、唯の慰め合いだからね。」
そうか、なら良いんだ。
それで慰めになるのなら…
「あっ、でも…」
「ん?何だ?」
「キスはダメだからね♪」
「いや、まぁ、やるつもりはないけどさ…」
変な拘りだな、あんな事までしるのに…
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「はぁ、気持ち良かったねぇ…」
「開幕、それか…」
と、事後の後にそんな事を話す俺達。
慰め合うって、こんな爛れた物だったのだろうか?
「君は上手いねぇ。他に経験でもあるのかい?」
「ある訳ないだろ!お前が初めてだよ…」
「そうかい、私も初めてさ。」
ダメだ、色々と見れない。
色んな所を見てきた筈なのに、恥ずかしくなってきた…
「どうしたんだい、君?真っ赤になってるじゃないか。」
「シャワー浴びた後だから、熱が籠もってるからだよ!」
「ふふ、そういう事にしてあげるよ。」
ダメだ、リードされっぱなしになってる…
ていうか、お前も真っ赤になってるじゃねぇか!
「さて、次はどうする?」
「コイツ…はぁ、帰るよ。流石に長居はできないからな。」
「何だ、つまらないねぇ…」
と、俺は立ち上がって帰ろうとする。
そんな時…
「あっ、お姉ちゃん…」
「ん?ああ、
香織の家に入ってきた女の子と鉢合わせてしまう。
誰だ、この子?
しかも、よく見たら妹と同じ制服着てるな…
「ああ、同類は初めて会うね。この子は花崎 凪子。私の妹さ。」
へぇ、確かに似てるな…
まぁ、とある部分はコイツと大違いだが…
「お前にも妹居るんだな。」
「おや、君にも妹が居るんだね。可愛い子なのかい?」
「勿論さ。まぁ、今は絶賛喧嘩中だけどな。」
そんな会話をしていると、凪子ちゃんがオロオロとしながら…
「あの…お姉ちゃんとはどういう関係なんですか?お友達、なのですか?」
ふむ、どういう関係か…
「どういう関係かだってさ。」
「それは難しい質問だね。まぁ…」
「…確かにアレが的確だな。」
これが一番の答えなのだろう。
「「……同類さ。」」
続く
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