第240話 京からの帰還

コンテスト落ちちゃいました〜 これからも色々と出すつもりですけど難しいですね。

話は変わりますが、今回からタイトルをつける練習をしていこうと思います。というのも、作者自身がどこで何を書いたかを把握できなくなってきちゃいました。

もし、〇〇の視点からの話が読みたいとかあいつどうなった?とかあったらコメントください。合間合間に挟んでいきます。

 


 偶然の産物から今井宗久を乗せて北条領に帰る事になった。その身のまま来させるのもなんだったので少し荷造りをさせてから出航した。その際には三好長慶の配下である松永久秀が見送りに来て、次は是非とも共に宴会をして語り合おうと固い握手を交わす事になったのはまた別の話。


 何事もなく北条領に戻ってきた氏政は少しばかりのひと時を過ごすとすぐに氏康に呼び出された。評定の間に集まっているのは側近や重臣達のみであるが錚々たる面子であった。久しぶりに会う光秀や康虎、幻庵に多目、勿論綱成叔父上もいた。


 「では、京へ行ってきた成果を聞かせろ。」


 氏康は風魔からの報告書で知っているであろうが周りへの説明も兼ねて報告する様に氏政に対して命じた。


 「はっ、簡潔に申しますと朝廷からは安房守 武蔵守 下総守 下野守 を任せられ、従五位上となりました。同様に父上が正五位上となります。後々には皇族が親王任国に遙任するため、上総国 上野国の上総介 上野介を任せられました。加えて、支配体制や管理運営などは伊豆守に一任するゆえ好きに差配する事を許されました。こちらは追認と許可になります。幕府の方からは、相模・伊豆・上総・武蔵・上野・下野・下総の守護職を与えられ、関東管領と協調する様にと命じられました。こちらは断れる様な雰囲気ではなかったので拝命されてきました。申し訳ございませぬ。」


 周りからはほう!っと喜ぶ声と幕府から足枷をつけられた事に対して苦虫を潰した様な顔をするものとで別れた。父氏康は無表情のままである。


 「其方はどうするべきだと考えておるのだ?」


 「はっ、関東管領である上杉実虎殿とは付かず離れず交易をすればよろしいかと。何か言ってきたら朝廷から任じられた官位を盾にしましょう。それと関東公方に関しては特に何もせずこのまま我らの元において形骸化するのが一番よろしいと思いまする。その上でこれまで北条に支えてくれたもの達に報いる為に官位である守を最上位に、介、掾、目を順に与えていきましょう。加えて、介、掾、目をまとめ各守を補佐する副将的立ち位置に守護職を置けばよろしいかと愚行いたしまする。」


 一番上に来るのは守でその次に守護だ。これは絶対に動かさないし、対外的にも朝廷の官位を盾にするならば姿勢として見せておくべきだ。


 「その配分はいかにするつもりだ?」


 「…?それは父上がお決めになればよろしいと思いまする。私は帝から直接従五位上を頂きました上に伊豆守の名乗りを許されましたのでできますればこのままがよろしいですが、父上が他のものに任せるべきだと思うならば喜んでお譲りいたしまする。」


 父である氏康は、で、あるかと呟くと手を払い下がる様に命じた。何かを考えている様だがこれ以上は父に任せるのが筋であるし、面倒くさいので放っておく事にした。議題は流れて、俺がいない間の内政や外交などの報告会へと移る様だ。

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