第204話
夏と秋はひっきりなしに関東で募集した時に余った人員を送り込んでいく予定だ。割合としては兵士2割、関東に根付いた民6割、残りが流れ者という形だ。流れ者は本当に食うに困って流れてきたのか他国の間者かわからないため蝦夷地で選別にかけるのだ。
それと同時並行で三国峠などの対上杉の防衛網を構築し続けていた。計画通りに進めるとあと5年はかかる壮大な仕掛けになる。それと同時に松井田峠の調査も風魔に命じてやらせていた。現在八王子方面と長野から直接運んでくる二つのルートを使い木材を輸入していた。
もし、武田が攻め込んでくるとしたらこのどちらかになるが八王子方面は既に小田原城を主城として大きな連携網を組んでいる為大きな問題とはならなかった。しかし、最近手に入れ整備を始めたばかりの上野はすぐに守りあげる体制が整えることができないのはしょうがなかった。
その為、後々になって簡単に手を入れられるように三国峠の様に設計図を先に作ろうとしていたのだ。
「小太郎達にはよく働いてもらっている。すまないな。」
氏政は寝屋で小太郎から各地の報告を聞いていた。週に一度ほどだがこの様にして会うことで風魔に対する信頼をカタチに示し、生の情報を届けてもらっていた。
「いえ、我々はまだまだ恩を返せておりませぬし、氏政様に一生着いて行きまするので。これは私だけではなく新入りを含めた皆の心持ちにございます。」
実際、新しく入ってきた風魔の忍び見習い達は関東の孤児出身であり、学校に通い忍び仕事に向いているものや希望しているもの達がやってきていた為忠誠心は疑うまでもなかった。
「そうか、俺はお前たちの期待を裏切らないつもりだ。その為にもこれからも力を貸してくれ。」
「はっ!」
「そういえば、調べてもらいたかった件はどうなっている?」
「はい、国内における国人集達の不満は下火になっている様です。最初は土地が取り上げられることに対して反発していた様ですが、安房や千葉同様、統治機構による発展具合や禄をそのまま貰える利点に慣れた様です。」
「そうか、奴らはこれで北条からは出られなくなったわけだ。」
北条からの禄は元々治めていた土地の寡多によって決められるものと仕事の成果によるもの、基本的な生きていくための禄と3種類にわたって貰えている。他の国に仕官しようとも北条よりもいい待遇など存在していない。
ちなみに、地禄は最大で1万石を超えない為どれほど多くの大名であろうと一律1万石である。しかし、その個人の能力によってそこに合わせて俸禄が貰えるため不満は出ていない。
「それでも不満を漏らしている奴はいないのか?」
「勿論います。よくよく調べてみたのですが伊豆時代から付き従う者達にも不満を持つものがいて彼らを中心に集まったりもしている様です。」
「そうか、それはしょうがないだろうな。ある程度は覚悟していたし全員の不満をなくすことなど不可能だ。それで面子は?」
「太田資正、梁田晴助などが粒揃いですが他は重臣でもない陪臣などの北条からは重用もされていないもの達です。そして決まって彼らは氏政様が生まれる前から武士だったもの達ですね。」
「なるほどな、監視は怠るなよ。何の理由もなく処罰することはできぬし、昔から使えていたという事である程度の裁量もあるもの達だ左遷などできぬ。いっその事内部に閉じ込めて他家に通じることなどできない様にしてやろうか。」
氏政は少し苛立っていた、時流の読めない頭の硬い馬鹿など必要ないと思っていたからだ。
「落ち着いてくださいませ。彼らは軍事に関わっているもの達はそう多くありませぬし、彼らが蜂起したところでついてくる兵もいませぬ。しかし、北条の息がかかった場所に潜り込ませるわけにもいけませぬぞ。」
「いっそのこと新しく手に入れた場所にでも赴任させて戦で使い潰してやろうか?いや、蝦夷地に送っても悪くないな。」
「そちらの方がよろしいかと。蝦夷地ならば彼らが反抗をしようとも他家と通じることはほとんど不可能にございます。しかし、我々の手が遠くなるというのも事実にございます。」
信長の野望新生してます。一応ただゲームやるよりは動画配信してみようと思い垂れ流ししてます。よかったら作業の垂れ流しにでもしてください。https://www.youtube.com/watch?v=C3AAJOzsGyI
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