第2話 寺山修司著「ふるさとの 訛りなくせし 友といて モカ珈琲は かくまで苦し」
昔は二人で野山を駆けた。
一緒にランドセルを背負って歩いたし、シャツにリボンを結んだのも二人一緒だった。
修学旅行で行った東京はキラキラ輝いていて、いつか行こうねと心に決めた。
あなたの方が先に一歩踏み出したけど、私も今日からここに立つ。
再会する場所は二人で憧れたオシャレな喫茶店。
心を踊らせて私は席に座る。
そしてあなたは来てくれた。
キレイに化粧して、昔私の憧れた綺麗な黒髪は金色に染まっていて。
見たことないキラキラした石を装飾したあなたは場に不慣れな私に記憶にない顔で言った。
「久しぶりじゃん。」
私も返した。
「んだな。」
方言を久々に聞いたと喜ぶあなたの顔がよく見れなかった。
変わったのはあなたの見た目か、私のあなたを見る目か。
初めて飲んだモカ珈琲は思ってたよりずっと苦かった。
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