第8話 アマテラス
天照だと・・・
この自称神様がか!
亜麻色の彼女も驚いて呆けている。
(久しいですね、ニニギ・・・)
(天照様もご健在で嬉しいです)
はい? 誰この人? ニニギ… 寿司職人の仲間かなんかか?
亜麻色の彼女の後ろからひょこっと突然姿を現して自称神様に傅いている。
自称神様と同様に神々しさを感じる。
(ニニギは私の孫でこの者、
ニニギ… 天照… 孫?
日本の神様な気がする…
…そうだよ~ 私もニニギも君が居た日本の神様だよ~ …
自称神様からのテレパスが送られてくる。
表と裏の口調が違い過ぎて違和感が半端ない。
ここは異世界だよな?
亜麻色の彼女も居るので聞かれないように心で言ってみる。
…そうだね~ ここは私が作った世界なんだよ~ …
なんか神様っぽい事言ってる!
スパーン!
見えない衝撃が頭にきた。
「あいた!!」
また叩いた!
「どうしました?」
亜麻色の彼女が変な顔で見てる。
「いえ、ちょっとポルタ―ガイストが… 」
「ぽるたーがいすと?」
「いや、お気にせずに!」
「あー、天照というとこのシャインメグードを創造したという創造神ですよね?」
慌ててこの世界の者なら誰でも知っている事を聞いてしまった。
「そうです!この世界の絶対神! そんな大神が降霊に来てくれるなんて…」
うん、信じられないよね…
俺も転生者じゃなかったら取り乱してるところだ。
(ニニギ、奥さんは元気ですか?)
(はい、私をしっかりと支えてくれております)
奥さんいるのか、なんか所帯じみた神様だなニニギ・・・
転生前もあまり聞いた事ない神様だな。
…ニニギの名は
長いわ!
(これからも彼女をよろしくお願いしますね)
(おまかせください。)
(挨拶はこれくらいにして儀式を進めましょうか?)
「はっ、はぃひ!」
噛んだな。慌てる彼女も可愛いな…
ニニギがこちらを睨んでいるが無視しよう。
(そなた!
あ、私ですね。
(天照大御神がそなたに力を授けよう!)
天照が一段高く舞い上がり両手を上に広げた。
その瞬間、さらに眩しい白い光が部屋を照らした。
光は消えて行き、天照が部屋中央へ降りてきた。
(そなたはこれより
え、やだ。そんな大義な運命…
…大丈夫だよ〜 なんとかなる〜 …
亜麻色の彼女もすっごいキラキラした目で見てる…
これが俺の運命なのか…
(その真魂を持って良き出会いがあるでしょう…)
天照がゆっくり上に上がって行く。
え、これで終わり?
なんか能力貰えるんじゃ?
…君には転生時に授けてあるからね〜 今日はただの演出だよ〜 …
本当に演出だけか!
有り難みが何もないな…
(
「天照様、お任せ下さい。立派な降霊術士にさせます!」
(お婆さま、ご安心下さい。ニニギも引き続き見守り致します)
それを聞くと天照は天上に登るように消えてしまった。
それにしても俺の職業はやはり降霊術士に決定なんですね…
…そうだね〜 おめでとう〜 …
うおっ 帰ったんじゃないのかよ⁉︎
…ここは私の世界だからね〜 いつでもどこでも連絡できるよ〜 …
なんだか益々不安になって来たな…
「ヒロミ様」
「あ、はい⁉︎」
「すごい事になりましたね!天照様から天恵を授かるなんてさすが
亜麻色の彼女は興奮してまた近寄ってはしゃいでる。
抱きつきそうな勢いだ!
「それでですね」
あ、抱きつかないんですね…
「天照様に任されましたのでヒロミ様は私と共に降霊術士の修行を行って頂きます!」
おおー、いいですな〜!
ジジババから教わるより絶対いいかも!
「まさか降霊術士になるとは思っていなかったので不安ですがよろしくお願いします。」
ここはやる気を見せておこう。
「頑張って試験を合格しましょう!」
「はい! … えっ、試験があるんですか⁉︎」
「そうですよ、人の人生に関わる職業ですからね厳正な試験が行われます」
「大丈夫ですよ私の指導とあなたの才能が有れば寝てても合格です!」
綺麗な細い指を一本立てて俺に向けてドヤっている。
寝てたら試験受けれなくて落ちると思うんですが!
と、言いたいが自身満々にしてるのが可愛いからいいか。
そういえばニニギとか言う神様は何処行ったんだ?
周りを探しても居ない、また姿を隠してるのかな?
「ニニギですか? 彼は奥さんに報告に行きましたよ」
守護するんじゃないのかよニニギ!
奥さんて何処にいるんだろう…
「では、儀式は終了ですね。」
「入ってきた扉から戻って神殿長の指示に従って下さい」
「ありがとうございました、あの… お名前を教えてもらえませんか?」
いそいそと戻る準備を始めていた亜麻色の彼女は慌てて近寄って来た。
「そうでしたね、通常の儀式では名を明かさないものですから忘れてました」
そうなんだ、なんか理由があるのかな…
「私は ヒナ・シャリーンと言います。」
「王都で序列3位の降霊術士になります」
「王宮の
ランクの高い冒険者パーティには必ず降霊術士が居るとアレックから聞いた事があるが…
彼女はとても冒険者には見えないな…
「それでは、その真魂を持って良き出会いがありますよう」
そう言うと亜麻色の彼女、シャリーンは音も無く奥の扉から出て行った。
自称神様!
… …
天照様…
…何かな〜 …
やっぱり聞こえてるのか
… 君の守護神だからね〜 いつでもどこでも一緒だよ〜 …
… まあ、私も忙しいから必要な時以外は構ってあげられないけどね〜 …
そうなのか?
… とりあえず明日からしばらくバカンス、
視察に行くから居ないけどね〜 …
自称神様…
スパーン!
「あいた!」
また見えないな衝撃で頭を叩かれた。
叩くのやめなさいよ…
… とりあえず、代わりの守護神を行かせるので修行頑張ってね〜 …
代わりってまた変なやつじゃ⁉︎
… それじゃ、水着選ばないといけないから〜 …
おーい!
返事が返って来なくなった…
本当に行きやがった。
ガコーーーン!
入って来た大扉が開かれた。
修行か…
試験だと… 試験なんて通信教育でやった危険物取扱い資格以来だな。
試験に落ちたらどうなるんだろう…
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