第5話 4 個室
私は、現金を抜かれたバックパックを片方の肩に掛け、案内された個室に入った。此処でも作り笑いの女に規則とやらを説明された。私の頭の中は規則で溢れ出しそうだった。
部屋には、ベッドがひとつと、小さな机にパイプ椅子があるだけだった。それ以外にあるものと言えば、明かり取りの為の鉄格子のはまった窓だけだった。
私は、ベッドに座り、孤独感に耐えかねて、涙を流しながら、たった一人の友人を呼んだ。心の奥の奥まで届くように彼を呼んだ。しかし、心の中からは何の反応もなかった。
暫く呆然としていると、おやつの時間だからと声をかけられ、食堂に案内された。
そこには、やるべき義務は果たしましたと言わんばかりに、コップ一杯の牛乳だけが置かれていた。
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