第6話 5 入浴時間



 おやつの時間は自由時間内のイベントのようだった。私と同い年くらいの子供達が集まってくるのかと思ったが、一人、二人、と入れ替わりに子供達が入って来て、牛乳を飲むと暫し空間を見つめては去っていく、というような感じだった。


 私はゆっくりと牛乳を飲んでは、ため息を吐き、それでもこの大切な時間? をゆっくり過ごせるのかと思っていたが、それさえも許されることではなかったようだ。直ぐにお風呂に呼ばれ、使用時間は10分ということだった。私は、このお風呂の時間で、湯船に浸かり、今度こそは落ち着いて、もう一度、心の中の友人に呼びかけてみようと思っていたのだが、頭と体を洗うと、湯船に浸かる時間は、せいぜい3分くらいであった。またしても私の目論見は失敗した。


 お風呂から上がると、自由時間の再会であった。自由時間? 施錠さえされていないとはいえ、ベッドがひとつと、小さな机、パイプ椅子、そして鉄格子のはまった窓。この部屋で、自由に何をしろと言うのか? こんな寂しい部屋で心の中の友人を呼べと言うのか? とてもそんな気にはなれなかった。


 消灯21時という、その時間まで私は、ベッドの中でじっとしているしかなかった。

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