音義不明の日本語


 こんにちは。木元です。疲れで小説を書く気になれないこの頃ですが、面白いものと出会いました。幽霊文字って知ってますか?


 素人にも分かるよう砕きまくった説明曰く、それは大昔、パソコンと言った情報機器で日本語を使えるようにする為、日本語をそれらの機器へ覚えさせる作業が行われたそうです。たとえば、「あ」と表示させるにはこういう手順でやるんだよという命令を、全ての日本語へ一文字ずつ割り振って表を作ったんですって。途方も無いですね。その途方も無い作業により作られた命令表を情報機器に覚えさせた事により、こうしてパソコンやスマホで日本語を打ち込む事が出来るようになったそうです。然し命令表を作る前にももう一つ、途方も無い作業がありました。全ての日本語、特に、漢字の意味と読み方を調べたのです。抜けがあったら大変ですから、偉い言語学者を集めて、それは沢山の調べ物をしたんですって。すると不思議な事に、その偉い言語学者達でも出所が分からない漢字が出て来ました。それが幽霊文字と呼ばれる、いつ、どこで、誰が作って、どういう意味を持っていてどんな読み方をするのかが分からない、たった十二個の漢字達です。


 これも凄い事なんですが、この十二個以外の漢字には典拠があるんですって。古い書物を調べると出所が分かったそうです。幽霊文字になっている漢字達にはこれが無く、正確な情報元が見つからない、つまり何なのか分からない、という状態から、幽霊文字と呼ばれてるんだそうです。なんですけれど、この調査により初めて作られた命令表、作成時のルールが甘かった部分があったり転記ミスが起きたりと問題点があったので、改正の際改めて幽霊文字の調査が行われたそうです。すると幽霊文字の中にも、別の漢字と書き間違えてしまっていただけと思われるものが出て来ました。でも思われるってだけで、絶対に存在していないとは言い切れないんですけどね。典拠が無い以上推測の域を出ません。でもいっぱいありますもんねえ、似てる漢字。画数多くて書き間違える事って、日本人でも珍しくありませんし。その国の人でも使いこなせないって、本当に複雑怪奇な言語ですよ、日本語って。


 そんな幽霊文字の中にもたった一つ、典拠不明かつ、書き間違いを疑われる程似ている漢字も存在しない、意味も読み方も分からない、本物の正体不明があるんですよ。そもそも使い道も無いような幽霊文字という言葉達を何故改正後も命令表に残しているのかと言いますと、最初の改正時に修正を行った際、世間へかなりの混乱を招いたので、再びそれを起こす訳にはいないとそのままで置かれたからだそうです。確かに情報機器って色んな形で世界中に存在していますから、それらへ影響を及ぼしてまで使うか分かんない言葉達を正す理由もありませんしね。使用頻度無いようなものなんだから、放置してる方が誰も困りません。という訳で、時の流れにより典拠が失われてしまったのか、誰かのミスにより生まれたに過ぎないものなのか、それとも記録に無いだけで、いつかの時代では誰かに使用されていたものなのか、どんな道を辿って来たにしろ全てが不明のまま今も存在している、ロマン溢れるたった一つの幽霊文字とはこいつだ!


 〝彁〟


 パソコンとかスマホで漢字を打ち込む際、まずは平仮名を打って、そこから漢字に変換するじゃないですか。だから幽霊文字も、対応する平仮名を挟んで変換するっていう手間が必要ですから、読み方分かんなくても平仮名に反応させないとそもそも打つ事が不可能になってしまうので、便宜的に読み方を与えてるんですって。なので〝彁〟は、「カ」、あるいは「セイ」と読む事になっているそうです。本当の読み方は、誰にも分かんないんですけどね。意味すらも。めっちゃ面白くないですか幽霊文字!? 私テンション上がっちゃいましたよ! 幽霊文字とはこの奇妙な姿で存在している性質から、フィクション上では使われる事があるそうです。いや使いたくなるでしょこんなん! 超カッコいいじゃん! 私も使いてえよ! あと、「たいと」とか「おとど」って読む八十四画もある幽霊文字も面白いので、是非検索してみて下さい! ここにコピペしようとしたら余りの画数の多さに文字としてじゃなく画像として入力されてたから載せらんなかったよ! なんて面白いんだ! 日本語!


 という訳で幽霊文字を使いたくてしょうがなくなり、何か小説のネタにならないだろうかと考えていました。特に具体的には何も思い付いていません。幽霊=ホラーという事で、何かホラーかなって。雑ですね。いやーでも何か使えそうじゃないですか幽霊文字!? もうちょっと考えてみます。


 それでは今回はこの辺で。


 よい一日を。



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