方言・妹・幼馴染の可愛さが一度で分かった日。


 こんにちは。納車で脱輪です。この頃寒いので寝る時は枕元に置いている赤ピクミンのぬいぐるみを、布団に入れています。服着ないんでね、ピクミン。何か気の毒ですし、この前闇の中で目が合った時キモかったので。別に一緒に寝てるとか可愛いものじゃなくて本当に入れてるだけですから、朝起きたらうつ伏せになって腕の下敷きになってたとかザラですよ。ええ。今はパソコンのディスプレイの脇にいます。


 この頃の私は、後輩と上司に勧められたアニメがあったので、ネットフリックスで観てました。タイトルは「サマータイムレンダ」。季節は夏。進学を期に東京で暮らしていた主人公が、故郷である和歌山のちっさい島で行われる幼馴染の葬儀の為に帰省するのですが、その幼馴染は事故死と処理された筈が何だか不穏な痕跡があり……。てな感じで起きるサスペンスです。人間が怖い系の話かぁーと思って観ていたらとんでもない裏切り。一話目でガッツリハートを掴まれました。最近観たアニメと言えば原作を知ってるチェンソーマンとBLEACHですが、あちらは内容を知っているのでどう映像で表現されるんだろうというワクワク感で観てましたけれど、サマータイムレンダは全く知らなかったので衝撃が凄まじかったです。


 私が学生の頃は解剖実習が超楽しみだったとか、ホラー映画の「呪怨」で寝落ちするぐらいホラー耐性が高いと知っているからでしょうけれども、上司が私にサマータイムレンダを勧める際、「いっぱい人が死にますよ。血もいっぱい出ますよ。多分納車で脱輪さんが好きそうなやつです」って言われた理由がよく分かりました。そんなアニメの勧め方された事ねーよって思ってましたし観始めた今ならもっと説明の仕方あっただろとも思いますけれど、いや、面白い。確かに私が好きなやつでした。


 舞台が和歌山の島という事で、東京暮らしで標準語も話せるようになった主人公に対し島民達は、和歌山弁で話すんです。同じ近畿地方という事が大きいのでしょうけれども、大阪弁と近い部分が結構あるんですね。大阪と和歌山って一応隣同士ですし。


 訛りって、県境をまたげばがらっと変わるものじゃなくて、徐々に変化していくものじゃないですか。たとえば大阪弁でも、京都や兵庫に近い地域に行けばそっちに寄ったものに変わっていきますから、同じ大阪弁も南下して和歌山に近付いた地域に行けば、そう大差無い話し方になって来るんですよ。県境が近いと和歌山の人が仕事等で跨いでくる事も、珍しくなくなってきますから。本場の和歌山弁とはやっぱり、違いますけどね。そういう点でも楽しい作品です。私は同じ近畿地方出身だから何言ってんのか大体分かるけど、他の地域の人が聞いたらどう聞こえんのかなーって。もしかしたら言ってる事分からない部分とかあるかもしれない、とか。かなり近い訛り方ですけれど明確に違う部分もあって、面白いんですよ。意味は分かるけれど、程よい異国感があると言いますか。


 方言が可愛いっていまいちピンと来ない感覚だったけれど、こういう事だったのかなー。なんて思って視聴していました。主人公は幼少の頃に両親を事故で亡くしており、東京へ出るまでは洋食屋を営む島民の一家に引き取られて暮らしていました。その一家には主人公より年下の二人娘がいまして、兄妹の様に過ごしたのかと言えば、「幼馴染が亡くなった」と先述した通り主人公もこの二人娘を義妹ではなく、「幼馴染」と表すんです。亡くなった幼馴染とはこの二人娘の姉の方でした。つまり主人公は、この姉の方の幼馴染の本当の死因を探るべく奔走する訳ですね。友人や妹の方の幼馴染、警官といった、島の人々も助けてくれます。


 私は映画でもアニメでも漫画でも、特定の人物を特別に気に入る事が余りありません。主に人物も作品の一パーツと捉えていて、多分俯瞰して観てるんです。この人物がこの立場で配置されてる理由は何だろうとか、主人公との関わり方や言動等から考えて、作者は視聴者読者にこういう感情を抱いて欲しいのかなとか、後から振り返って、展開を盛り上げる為の役回りだったんだなー、とか。所謂いわゆる、「推し」ってやつを持ち得ないだろう考え方ですね。なので作品に夢中になっていても、人物単体に対しては冷静です。オタクの友達と同じ作品が好きとなっても、話が嚙み合いにくいのはこの所為せいでしょう。作品は勿論ですけれど、それ以上に特定の人物を好きになる事が多いんです、私の周りのオタクの友達って。オタク全体にも言える事なのかな。人物に熱中してる印象がある。


 てな感じでサマータイムレンダも、夢中で視聴中ですが誰かに対しては熱中してませんでした。一話目ではありませんが、なら何話目からだったのかと自問してもはっきりとした答えは出ないのですけれども、その冷えた考え方が傾いたんですね。「何かこの子可愛くね?」って、妹の方の幼馴染に。


 最近触れるようになって知識を得たのですが、ラブコメって多く、主人公と結ばれるヒロインとライバル位置にある準ヒロインが用意されるじゃないですか。実際にバチバチにライバルとして衝突するタイプもいれば、ヒロインとは友達同士だけれど、主人公から見るとこの子も可愛いんだよなァーって勝手に悩み出す原因みたいな子。まあそういうパターンって準ヒロインも、友達であるヒロインの手前黙ってるけど主人公の事が好きって展開が多いですが。どうやらサマータイムレンダの妹の方の幼馴染も、この準ヒロイン的位置だったんですよ。多分勝てないだろうなこの子。優しいけど何かと遠慮しがちだし、グズグズしてる間に取られるか、告白しても振られて作品を盛り上げるに終わるタイプだわ。みたいな。めちゃくちゃ悪い言い方をすると、皆に好かれるけれど一番にはなれない、いつも定食屋にあるAランチとかBランチのような、王道ならぬただ安全な道。そう、知っている人には完璧に通じる艦これで言うならば、金剛じゃなくて榛名はるな

 

 どうやら妹の方の幼馴染はこの位置らしいぞと、作中で暗示され始めてからでしょうか? 何か可愛く見えて来て。そう言えば私妹欲しいって思ってたなあとか、男子はヒロインと言えばロングヘア好き多いけれど、私は可愛いと思うけどねそのボブヘアとか、視聴している内容と直接関係の無い思考が上るようになってきたんです彼女を見てると。面白いなあとは思いながら聞いとったその和歌山弁、お前が喋ると別格に可愛く聞こえて来るなあ何で!? 大阪弁が可愛い言うてた九州の友達は、こういう気分で普段うちの話聞いとったって事!? それはちょっとキショいなあ! 黙っとけ!


 主人公は亡くなった姉の方も含めこの幼馴染を、あくまで同居人として扱います。姉も妹も決して主人公を兄とは呼びません。作中での雰囲気も義理の兄妹でなく、幼馴染と言うか友人に近い距離感で描かれるんですね。なので忘れがちなんですけれど、主人公が俺に任せとけと男気を見せた時は妹の幼馴染が、「主人公君……!」と明確に妹の顔になるんですよ。なんッて設定の見せ方が上手い作品なんだ! そういう分析抜きにやっぱ可愛いなあお前オイオイオイオイオイオイオイオイ! 普段の主人公との遣り取りも幼馴染という距離感から特別感あるし! そしてここぞという時に、妹キャラを前面に押し出す訳ですね! 上手い! 上手過ぎる! まさかこんな高等テクニックと、ラブコメじゃなくサスペンスで出会えるなんて! 皆も何らかの配信サービスに加入していたら検索しよう! 「サマータイムレンダ」と! 方言・妹・幼馴染のいい所を知れる、空前絶後のお得セットサスペンス神アニメだ! 


 二期の半分辺りまで観たので、近々最終話まで観ようと思います。いや、明日休みだしもう寝ないで一気観しちゃおうかな!


 それでは最後に、カクヨムコン参加中なので短編の宣伝させて下さい。皆さん閲覧ありがとね! ウヒョ!


クールな先輩が僕とのほっぺチュー(罰ゲーム)で突然デレた

https://kakuyomu.jp/works/16817330650356531339


 よい一日を。

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