〇これが……恋ッ!?
こんにちは。全然似てない不細工な赤ピクミンのぬいるぐみポーチを購入し、ご機嫌な納車で脱輪です。
ピクミンってご存知でしょうか。任天堂のゲームに登場する、小さく可愛い謎の生き物です。人間の子供みたいな体型をして、頭に葉っぱを生やしています。個体によって体色が赤だの青だのと異なっており、それぞれ固有の能力を持っています。プレイヤーは隊長としてこのピクミン達を引き連れ各能力を生かし、未知の惑星を探検しようというゲームですね。
この不細工な赤ピクミンは、パチモンではありません。ちゃんとタグには©Nintendoと表示されています。つまりクオリティが低い公式商品です。今パソコンのディスプレイの隣に座らせているので、視界にチラチラと入り込んで来ています。なんて醜いのでしょう。原作と似ても似つかない平べったいボディ、
私はお店で偶然このブスを見かけた時、この折れた鼻に魅了されました。原作のピクミンは二年前にシリーズ二十周年達成。その全てをクリアして来ましたが、原作中に赤ピクミンの鼻が折れたシーンなんて一度もありません。そんなシーンがあったら大笑いしながら写真を撮りまくってます。何より全体的にマジで似てない。そして発売日はいつか知りませんが、もう長い事その棚に収まって動いていないのが箱のくたびれた様子で分かるのです。売れていない商品なのです。全国的にはどうか分かりませんが、少なくともそのお店では。
せやろな。
私は、箱の中からこちらを凝視して来る赤ピクミンの、折れた鼻を眺めながら納得しました。全シリーズをクリアして来たファンから見ても、この庇いようの無いクオリティ。買わねーよこんなん。値段も
でも目が離せないのです。
私は確かにピクミンが好き。最新作が今年発表されるそうなので、それを目指して貯金も始めています。でも、私はゲームとしてのピクミンが好きなのであって、グッズとしてのピクミンにも同じ熱量を向けているのかと言えば違います。ゲームが好きなんですね、あくまでも。グッズ買うなら課金するわと先述した通り、プレイ外でもその作品を楽しみたいと言うより、データを作り上げたりプレイ体験の質を上げる事に重きを置きたいゲーマーなのです。本当に好きな作品のグッズなら、ちょっと欲しいかもと思いますけどね。ピクミンみたいに。
いやそれはそうやけどこいつは似てへん。
何せこの赤ピクミンを見た瞬間、私の心には「ブッサ!!?」と侮蔑と驚愕のシャウトが鳴り渡ったのです。友人といたら「何やこのブス!!?」って指差しながら棚に駆け寄ってました。一人だったので黙って歩み寄りましたけどね。またまたァって思ってるでしょ。マジでしますよ私。私高校生の頃バンドやってたくせにダメージジーンズを知らなくて、電車の中でダメージジーンズ履いてるお兄さん指差して「あの乞食みたいなズボン何?」って友人に
そんな感じに、マジで、
でも気になって見ちゃうんです。
ぬいぐるみが趣味って訳でも無いんですよ。一匹も持ってないし、軽いアトピーなのでノミとダニの温床だって思ってるんですよぬいぐるみなんて。でも見てしまう……。何故か欲しいという気持ちがあるんですよ確かに! ゴミって分かってるのに!
その日は買いませんでした。衝動買いなんて馬鹿のする事なので。一旦帰って冷静になってからもう一度考えて、それでも必要と思うなら買おうって。
二週間強悩みました。私にしては非常に珍しく。あの不細工に二週間強も悩まされていたのです。そう考えると
買って箱から出して気付いたのですが、こいつの腕の長さは原作のピクミンの半分程度しかありませんでした。何で
という訳で、こいつはぬいぐるみとして扱う事にしました。今日で買って三日目です。家の中にいる間は何故か持ち歩いてしまいます。ガウンのポッケに入れていつも一緒。寝る時も枕元に置いてしまいます。パソコン触る時はこうやって、ディスプレイの隣に置いちゃうし。どうやら私は痛く気に入っているようです。実感が無いのは可愛いとは全く思ってないからでしょう。
何で買ったんだろう? 不細工過ぎて強烈に気になったのは確かですけれど、でもこんな理由で物を買った事が無いんです。そもそも実用的じゃないもの嫌いですし、雑貨も興味無いし。何で私はこんなものを? 何でこんな使い道も無い下らない不細工に、私は惑わされている?
ふと考えが
たとえばRPGのゲームとかで、へっぽこで貧乏な村人に魔物を退治してくれーってはした金で依頼されると、何だお前情け無い奴だなあって受けちゃうんですよ。弱いくせに格上の魔物を退治しようと張り切って
小説のネタ集めとしてやってる乙女ゲーに出て来るイケメン達と反りが合わない事が多いのも、ここが理由なのかもしれません。私とは弱者へのお節介は好きなのかもしれませんが、誰かに世話を焼かれるのは大嫌いなんです。自由を奪われるから。だから、頼り無い人と関わってる方が都合がいいって部分は大いにあります。束縛されないし、どう扱うかも私が決められるので。ほったらかしになんてしませんけどね。相手困ってんですから。つまり乙女ゲーのイケメンなんていう能力の高い人間に声かけられたら、金でも身分でも何でも持ってる奴に干渉されてしまう事になるんです。何と不快な。打ち首にしてやる。
これは発見かもしれません。私が去年の夏、こえけんにチャレンジする為に探し回った、私でも書けそうな可愛いヒロイン。その形は、ギャップが売りのイケメン系。実際のこえけんでは落選こそすれ、ランキングでは八百七位中七十五位だか七十六位で終了しました。部門別では四十位ぐらいでしたかね。カクヨムさんでも人気の高いラブコメというジャンルにおいてこの順位で終われたのは、初参加としては上々なのではと思っています。つまりこの形のヒロインは需要があるし、私が扱うヒロインにおいて最も適したタイプでもある。なら、以前このエッセイでネタのメモとして書いた、死にゲー×乙女ゲーの小説を書くに当たってのヒロイン枠はこいつにして、イケメン枠は顔はいいけど頼り無い奴で埋めれば、上手く噛み合うのでは無いだろうかと。多少抜けてても作者の私がなーんか気になってしまう奴の方が、面白いものに書けそうな気がしますし。
何でか朝起きるとポッケに入れちゃうんですよねえ、この不細工。理由は分からないんですけれど。この煩わしいと思いつつ離す気にはなれない、イライラしてんだか嬉しいんだか割り切れない気持ちが……恋ッ!?
私はやっと、答えに辿り着いたのでしょうか?
最後に、最近書いたレビューのリンクを。
「目覚めると知らない部屋。自分すら分からない主人公の前に、悪魔が現れる。」
https://kakuyomu.jp/works/16817330649207684448/reviews/16817330651421637163
それでは今回はこの辺で。
よい一日を。
いや! カクヨムコン中だからやっぱ参加作品宣伝させて下さい! スマンネ! ラブコメよ!
クールな先輩が僕とのほっぺチュー(罰ゲーム)で突然デレた
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