文化的お笑いバトル①
こんにちは。木元です。先月は、文化の日がありましたね。
私はこの日、出勤していました。以前こえけん用の短編を書く際、オタクのメンズとはどういうヒロインを好むんだろうかと質問し、「ぶっちゃけ男なんてね、自分に優しくしてくれる可愛い女の子なら、誰でもいいんですよォ!!」と、アツいアドバイスをくれた後輩君と、仕事をしていたのです。ちなみにこえけんは落選していました。さよなら、私の十万円。こんにちは、カクヨムコン。短編賞にて今度こそ金を貰う。今書いてるから、完成したらシクヨロね。
私はその日は文化の日であると把握していたのですが、後輩君は知らなかったようで、今日って何の日なんですかねと尋ねられたんです。私は当然、今日は文化の日ですと答えました。後輩君は、「文化の日」なんて、何をすればいいか分かりませんよと言ったものですから、文化的な事だから、本を読むとか? と返しました。すると後輩君は私に
「いや、それは原始人」
間髪入れずに言った私に後輩君は、声を出さずに笑ってしまったようで、マスク越しでも分かるぐらい口を開けて天井を仰ぎました。私が、「それは休日に
すると後輩君はケラケラ笑いながら、「文化と文明を間違えました」と言いました。文化=火起こしと答えた後輩君を、こいつアホと判断したばかりの私は動揺します。
文化と文明の違いとは、人間が作った、精神的なものであるか、物質的なものであるか。芸術や宗教など、特定の地域や人々の間で生まれ共有されていき、心を豊かにするものが文化。対して文明とは、生活を便利にするもの。文明の利器という言葉があるように、車やスマホと言った技術を指します。火起こしを分類するなら文明に入りますから、もしや後輩君は、文化と文明の違いを知った上でわざとボケたのではないだろうかと、私は迷った訳です。この高度なボケが分かるかと、寧ろ私が試されている? もし後輩君が分かった上で言っていたのなら、何て文化的な返しでしょう。普通に上手い。これ以上無く文化の日に相応しい、小粋なジョークではありませんか。ここは、「いや、文は文でも文違いやないかーい」と、返すべきなのか……? いや、そんなの文明と文化の違いを知らずとも言える浅いツッコミだ。素直にお見逸れしましたと賞賛すべき?
然し後輩君には、上司の前でギャグを滑らせている前科があります。私が聞いただけで三回はやっていますし、私が聞いてもにこりともしませんでした。後輩という立場上、仕事に無関係な事へ過度に厳しい言葉は向けませんけれど、もし弟に同じギャグを言われていたら、つまんな過ぎて死ねと言っています(※マジ)。よその人やったらまだしも、大阪の人間がしょうもない事言うな。
そんな調子ですからこの後輩君の言葉も、どう取るべきか悩んだのです。本当に火起こしを文化的だと捉えたアホなのか、分かった上で、敢えて道化を演じている洒落者なのか。こんなハイレベルな遣り取りを、後輩君と交わすのは初めてです。いつも上司の前で滑っては皆に言い触らされて晒し者にされているあの後輩君が、刃物のようだと称される私のツッコミに迷いを生じさせるとは。その上司に最近、「汚い」と放ったこの私を(※ツッコミとしてなのでお互いに冗談だと分かっています)!
流れとしては、今日は文化の日です→文化の日って何すればいいんでしょ?→文化的な事だから読書とか?→火起こしとか?→いや、それは原始人(追撃でオチとしての強度上昇済み)と綺麗なので、このまま終えてもいいんです。そもそも私は、ここでオチとする為に追撃を入れたんですよ。そこに予想外の分岐を後輩君から示された訳ですが、これはオチへの感想として切っても不自然な流れではありません。このまま別の話題に移ってもいいんですよ。乗るか、一旦終えるか迷った私は、別の話題を切り出しました。文化の日に因んだ、同系統の別ルートです。もしこれに付いて来れるなら彼は本物だと、様子見に出ました。お題は、「日本人はカタカナ語に弱い」。
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