悩ましきバニラ味
こんばんは。木元です。この頃暑くないですか。たまにはアイスでも食べよっかなーとコンビニに入るのですが、幾ら棚を眺めても欲しいアイスが特に無いので、好きでも嫌いでも無いスーパーカップのバニラ味を買うという生活を、かれこれ三年近く繰り返しています。好きの反対は無関心とはよく言ったもので、アイスと言えばこのスーパーカップバニラ味しか暫く食べていないのに、飽きていなければ、何の感情の変化も訪れていませんね。「どうでもいい」って気持ちって
じゃあ何でどうでもいいものを三年間も金払って食い続けてんだよ私とは。冷蔵庫の氷食っとけよ。それってもう好きって事なんじゃないの? 私にとっての「好き」って「どうでもいい」って気持ちとイコールなの? 矛盾を感じずにはいられないし無難に人間をやっていく上で絶対に繋がってはいけない感情だろ。「どうでもいい=好き」が成り立って救えるのは、レジのバイトしてて小銭返す時に手が触れたりとか、ちょっと話しかけただけですぐ「もしかしてこの人……。俺の事好きッ……!?」って勘違いして来る男子学生とおじさんだけだし、その考え通りの未来はそもそも来ないよ。
なんて、暑さから始まり人間の抱える矛盾について思いを馳せていると、小説のネタ集めとしてプレイ中の乙女ゲーでも、矛盾と遭遇しました。
攻略対象第三号のストーリーが折り返しに来たんです。この三号は主人公の事が大好きで、主人公の為なら何でもしてくれる未来の有能介護士かつ、謎の事故で記憶喪失に陥っていた人物なのですが、かなりいいとこのボンボンだった事が発覚し、庶民の主人公とは暮らせないようになってしまいました。三号の親御さんはずっと三号を探し回っていまして、心配していたから取り合えず実家に帰って来なさいと連絡があったのです。
じゃあこれからはお互いソロ活動って事で、解散かな……。一号の攻略は好感度の要求値が爆上がりしててまだ進められないし、それを稼ぐ間の新しい調査対象を探しに行くか。
と、私はもうここで三号のストーリーはエンディングなんだと思い込んでいたのですが、三号が主人公と別れたくないと言い出しまだまだエンディングの気配を見せません。
乗り気になれない理由はまだありまして、三号はこの通り主人公の事が大好きですから、毎日のように口説いて来るんですね。でも記憶を失った切っ掛けである事故の際、主人公は三号の持ち物から、婚約指輪らしきええ感じな指輪を見つけてるんです。それが本当に婚約指輪なのかはまだ分かりませんが、限り無くそれっぽいんですよ。当時の主人公は三号の記憶を取り戻してあげようと、その指輪を三号に返そうとしたのですが、気分が悪くなるから見たくないって言われてしまいっ放しなんです。主人公は三号と出会った時から、恋しちゃいけない相手だと分かって接してたんですよ。でも三号が口説いて来るからストーリーが進んでいく内に、主人公も三号の事が好きになっちゃったんです。
でも人とは、矛盾を抱えるもの……。私がどうでもいいって感じながら、いつもアイスと言えばスーパーカップバニラ味を食べているように……。人を好きになる感情に、罪はありませんしね。
現在のストーリー上の三号は、記憶を取り戻して、身分が全て明らかになって、離れ離れになったとしても、主人公が好きな気持ちは変わらないと言っています。主人公は三号の言葉を受け入れ、お別れが来るまではお互い恋人同士でいようという所で落ち着きました。マジぃ? 私だったら全てが明らかになるまでは友人として接し続けるよ。お互い同意の上でなら、こういう状況でも恋人になるものなのかな。本人達がいいっつってんだからいいって話ですけれど、うーん……。私は、受け入れられないッ……! 感情っていう、悪でもなければ罰する事も出来ないものを振り翳せば、何をしてもいいと思ってるような人間達に見えて……! 三号と主人公は、罪悪感を覚えた上で交際してるんですけどね。でも本当に悪いと思ってるなら交際しないじゃん。それが出来ないのが愛ってヤツなの? うーん……? 難解です。私には。彼らとは私にとっての、スーパーカップバニラ味って事か……。
こういうのを、禁断の愛って、言うんですかね? 恋愛ものの娯楽本当に触れないので、よく知らないんですけれど。私には書けない話である事は絶対的なので、どんな結末を迎えるのかは見届けます。学びが連れて来るものが、いつも喜びとは限らないのさ。皆さんはスーパーカップ、何味が好きですか。
それでは今回はこの辺で。
よい一日を。
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