アゴ大好きクラブ


 こんばんは。木元です。運動を始めて体力が付いて来たのが嬉しくて、久し振りに散歩に出ました。はしゃいで十四キロも歩いてしまい、筋肉痛が二日間も続きました。記録によると、四時間程歩き続けていたようです。


 小説のネタ集めに始めた乙女ゲーについての話なのですが、現在攻略速度を向上させる為、複数のイケメンと接触中です(スパイかよ)。なんですけれど、このイケメン達とは別人同士であるにも拘らず、同じ動きを取る時があるんです。


 揃いも揃って、やたら主人公のアゴを持ち上げて来るんですよ。人差し指でクイッて。ズボラな歯医者かよ。私普段は殺し合いのゲームしてる所為で、アゴを持ち上げられると下顎から脳天へナイフを突き立てられて殺されるイメージが浮かぶんです。ほら下顎って喉に向かうと、骨が無い部分があるじゃないですか。ここからグサッと。アクション要素のあるゲームならどのジャンルでも珍しくない技でして、バイオハザードでもこういう技があった気がします。


 だからもうストーリー中に初めて、「顎を持ち上げられる」ってテキストが目に入った瞬間、「アカン! 前蹴りで引き剥がしてバックステップや!」って前のめりになりましたが、今私が握ってるのはコントローラーじゃないしこれはアクションゲームじゃないしで、つい癖が出てしまいましたね。アゴを持ち上げた後のイケメン達とは、イケてるんだろう台詞を喋っているか(まだ王子様に出会えていないのでピンと来ていない)、主人公を煽って来るの二パターンです。どっちにしても私の庭でなら敵対行為なので、主人公は「ドキ……ッ!」でしたが私の心は「殺す」でした。慣れたので今はもう、「ふーん」ぐらいですけどね。戦場で会ったら覚えてろよ。主人公の反応から見るに、乙女ゲープレイヤーにとっては人気モーションなんでしょう。


 あともう一つ多く見られたのは、主人公の手首を掴む動きでした。これも警戒したわ危ねえだろうが。掴んで何してくんのかと思えば、アゴを持ち上げた後とほぼ同一の動きでしたね。結果は同じなのに違うモーションを挟む理由は何だろう。いやこれ、アクションゲーで敵の動きを覚えようとしてる思考ですね。不要な考えでしょう。見切った所で、乙女の世界には関係無い。乙女になれてんのか私? 戦いが染み付いた殺人鬼じゃなくて? 主人公の独白に寄せて書くともう、「触れられる距離まで詰められる時点で、警戒ドキドキしちゃうよっ……!」ですよ。ありもしない命の危機に、胸の高鳴りが止まらないわ。


 あと、イケメン達のプロフィール画面があるのですが、イケメン達の平均身長が百七十センチ強で驚きました。でけえなオイ。主人公を一般的な体格と仮定した場合、お前らみたいな巨人軍団にアゴだの腕だのグイグイやられてたら、その高低差だけで結構痛えだろうが。


 それでも恋する乙女には、百七十センチ強は欠かせないって事なんでしょう。私の家族の男性陣は長身な人が多いので見慣れており、タッパでトキメク事はありませんから有力な情報です。身内に百八十センチ強の人がいるので、正直百七十センチ台の人を、そこまで背が高いとは感じないんですよ。でも学生時代を思い返せばモテる男子って、バスケ部とかサッカー部のスラっとした人が多かったですしね。令和のJKも、高身長男子にトキメクのかしら。


 それでは今回はこの辺で。


 よい一日を。



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