第41話 旅

……次の日の朝、ジキルは屋敷の外にいた。ナージ、アイシャの分身と一緒に出発をしようとしていた。


「……ふぁー………こんな早朝に行ってしまってちょと張り切り過ぎでは?」


本物のアイシャが言う。そうこの日の朝は6時ぐらいの早朝だった。アイシャはこの時間、まだ寝ている時間だったが見送りに来ていた。


「……何で悪魔はいつも早朝に出かけるの」


「……早い方が良いだろ?ダメなのか?」


「別にダメではないけど早すぎるのよ」


「……分かった。次は気を付けるよ」


「……で?こんな早朝に行くけど何処に行こうとしてるの?」


今度は分身のアイシャがジキルに聞く。


「あっ……あぁ、行先はもう決まっている」


(……一瞬、私の分身に戸惑ったよね)


アイシャは心の中でジキルの戸惑った顔に少し笑っていた。


「最初は何処に行くんですか?」


ナージがジキルに聞く。


「まずは小人族ドワーフの国に行く」


「ドワーフ?異世界人は人間にしかいないのよ。何で関係のない小人族ドワーフの国に行くの」


「そこに俺の知り合いがいる。そいつは人を探すのが得意なんだ。だからちまちま探すよりそいつに会いに行った方が早いと思った」


「そう、ならいいけど。……じゃーさっさと行ってきなよ」


「……お前、愛想悪いな」


「……アンタのせいよ。こんな早く出発すると言うから、わざわざ起きたのよ」


「あぁ、悪かったな。気を付けるよ」


「そればっか言ってるけど、本当に気を付ける気があるの?」


「……では、そろそろ行くよ」


ジキルはアイシャの返事を無視をした。


「ちょっと!聞いてるんの!」


「…………」


ジキルはアイシャの言葉を無視続けたまま小人族ドワーフの国に向かってしまった。


「…………全く、アイツも愛想悪いじゃないのよ」


アイシャは一人で愚痴を言う。


「……まぁー無事に見つかったらいいけどそう簡単にいくわけないよね」


アイシャはちょっと心配そうにジキル達の事を思ってしまう……




……3日後、ジキルはとある酒場にいた。


「……アンタの探している異世界人を見つけたわよ」


何とジキルはこの3日で異世界人を見つけていたのだ。


「……案外早かったな」


「そりゃーこの私が探せばおちゃのこさいさいよ」


そう言うのはここの酒場の店主であるジョモラだ。


「……あーら、ジキルちゃん来ていたのね♡」


店の奥からもう一人男が出てきた。


「久しぶりだな、モコラ」


ジキル達は来ていたのは小人族ドワーフの国の酒場と言う名のオカマバーに来ていた。そしてジキルが合いに来たのがこの2人の事だ。


この2人、ジョモラとモコラは小人族ドワーフの国に住んでいるおかまの人間だ。この店は表ではお酒を提供しているが裏では知る人が知る有名な探し屋である。


「今日はお酒を飲みに来たの?割引するわよ♡」


「いやモコラ、今日は依頼を頼みに来たんだよ」


「……何だー依頼の方に来たのかよ」


ジキルが酒を飲みに来たのではないのを分かった瞬間態度が急変した。


「まぁーモコラそんなこと言わないの、この依頼が終わったら飲みに来るって言ってるわよ」


「あらそうなの?じゃーこの依頼頑張っちゃうわよ♡」


またしてもモコラの態度が急変する。


「……今回は異世界人を捕まえてくるのね?……変わった依頼をするわね」


「まぁー色々あってな。とりあえず誰でもいいから異世界人を連れて来て欲しんだ」


「……了解したわ。アンタの頼みだから報酬は要らないわ。その代わりにここのバーに絶対に来なさいよ」


「……あぁー分かっている」


「……では、今日の夜に始めるわよモコラ」


「はーい」


モコラは返事をし、また店の裏の方に行ってしまった。


「……ジキルもう今日は暇でしょ?私達の友好関係のために今日は酒を飲みなさいよ」


「……今日はダメだ。外に連れがいる。そいつらの宿を確保しないといけない」


「なら、ここに泊まって行きなさいよ。部屋は広いのあるからそこに連れを泊まらしたらいいわ。宿代は取らないわよ」


「……」


「まぁー泊まっていきなさいよ」


「……あぁ、そうするよ」


こうしてジキル達はオカマバーに泊まる事になってしまったのだ。



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