第40話 再び2
ジキルはアイシャの住む屋敷で休を取り、アイシャとの2人の話をしていた。
「……えージキルだっけ?おじさんの古い友人の悪魔でいいの?」
「あぁ、アイツとは幼い頃からの絡みがあり今ではアイツの部下だ」
「……でっ今日はナージの見舞いに来たと……本当にそれだけなの?」
「いや、見舞いに来たのは気まぐれだ。俺はジャキ王を探しに来たんだ」
「……おじさんを探しに来たのね……」
アイシャはちょっと悲しげな顔で返した。
「……おい、アイシャとか言ったか?お前はジャキ王が生きてると思うか?」
ジキルはアイシャに質問をする。
「……正直分からない。おじさんの魔力感知が出来ないのもうこの世界にいないわよ」
「……なるほど……ではアイツは生きている可能性はあると」
「……まぁーそうね。この世界にいないだけで別次元の世界にいるかも知れない……ただこれは仮設よ」
「何故、別次元にいると思う?」
「……異世界人……聞いた事あるでしょ?そいつらは別世界から来た人間で特殊な能力を持っている。そいつらが別世界に来たのであればおじさんもその別世界に行ってるかもしれない。それが私の仮設よ」
そうこの世界は異世界人がいる。この世界と別の次元の世界から来た人間の事を異世界人と呼んでいる。異世界人はごく稀にこの世界に迷い込む事があり、何故この世界に迷い込むのか原因不明だ。ただ異世界人は特殊な能力を持っておりとても厄介な奴らが多い。
「ただ、本当に別次元に行ったのかは不明よ。だっておじさんは確実に爆発に巻き込まれたんでしょ?そこからおじさんは行方不明になっている。普通に考えたら木っ端微塵になっているのが筋よ。でもおじさんが爆発で粉みじんになっているの考えにくいのよ」
「俺もそう思う。アイツが爆発ごときで死ぬ奴ではない。俺も別次元に行った可能性を考える」
ジキルもアイシャの考えに同意した。
「……でも、別次元に行ったのであれば何故帰ってこないんだ?」
「それは簡単な事よ。おじさんは帰って来れないからじゃないの?何かのきっかけで別次元に行ったのであればそのきっかけを見つけない限り帰って来れないのよ」
「そうか。アイツを呼び戻す方法はないのか……」
「いや、方法をあると思うよ」
「本当か!」
アイシャの返事にジキルは驚く。
「まぁー可能性は低いけど、要は別次元に行く方法を見つければいいのよ」
「……どうすればいいのだ?」
「……とりあえず情報収集してきてよ。その異世界人を探し出してここにどうやって来たのかを聞くのよ」
「……探すのか?異世界人を?」
「そうよ。異世界人はこの世界に人為的に来たわけではない。何かしらきっかけでこの世界に来たのよ。それをアンタが聞いてその別次元に行く方法を見つけるのよ」
「……なるほど……途方もない話だ」
「……何よアンタおじさんを探しに来たのでしょ?それぐらいはしたらどうのよ。私も協力するから」
するとアイシャは魔力を練り上げ始めた。魔力を練り上げた体からもう一人のアイシャが出てきた。
「……ふぅー……こいつを連れて行けばいいわ」
「……よろしく!」
アイシャの分身が返事をする。
「……お前、普通の人間ではないな。こんな分身は見た事ないぞ」
「私は特別だからね。この分身は私程強くはないけど、何かしら役に立つと思うよ」
「……失礼ね。私はアンタとさほど変わらないわよ」
アイシャの分身が本物のアイシャにキレてしまう。
「……まぁーよくこいつの面倒は見といてくれ。こう見えて普通の人間と変わらんから食事とか睡眠もとるから私本人と思ってくれ」
「……あぁー分かった」
ジキルは少し高性能な分身に少し引き気味であった。
「それと、ナージも連れていけ。アイツはうるさいからお前に預ける」
アイシャはナージを押し付ける感じにジキルに言う。
「人数が多いほど探すのは楽だからナージは引き取ろ」
「……そうと決まれば早いとこ準備をしな。今日はその準備をし、明日から探しに行くといいだろう。だから今日はここに泊っていけ」
「あぁ、そうさせてもらうよ」
こうして次の日のために準備をし、この日の一日は終わったのだ。
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