第11話 事故

しばらくズィーナ王国の街を観光しつつアイシャの買い物を付き合った後、昼ご飯を食べる事にした。


「おじさん昼ご飯何食べる?」


「そうだな、俺はズィーナ王国の名物が食べたいな」


「名物か……んーハンバーグが名物だけど少し歩かないといけないけどそれでもいい?」


「あぁ、構わんよ」


「じゃーあそこのアイスを買って食べ歩きながら行こう」


そうするとアイシャはアイス屋に向かった。すると、突然大きな声が左から聞こえた。


「誰かそいつを止めてくれ!強盗だ!」


大柄な男がこちらに走って来た。次の瞬間アイス屋に向かって行ったアイシャにぶつかりアイシャが転倒してしまった。


「ツっ…どこ見てんだ!クソ女!邪魔なんだよ!」


大柄な男はアイシャをほっといてまた走り出した。俺は吹き飛ばされたアイシャに近づいた。


「おい、アイシャ大丈夫か」


「…………」


「アイシャ?」


声をかけても返事がない。するとアイシャが立ちあがた。


「アイシャ、ケガはないか?大丈夫か?」


「…………」


やはり返事がない。というかどこか変だ様子がおかしい。


すると、アイシャが走って行った大柄の男の方に向けて手を挙げだした。


「おい!何をするきだ!」


「……邪魔だ」


アイシャが小声で何か言ったがそれどころじゃない、あの男を殺そうとしている早く止めないと。


俺はアイシャの手を挙げた右手を掴んだ。次の瞬間、体に電流が走った俺は反射的に手を放してしまった。とてつもない魔力が練り上げている。止める事が出来ない。


「………削除パージ


「いけません!お嬢様!」


突然目の前にキアが現れた。


「アイシャ様、あの男は魔王様の秘書であるミアが捕まえました。どうかおやめになってください」


「………そう………捕まえたのね」


アイシャから練り上げられた魔力が徐々に落ち着いてきた。何とかこの場を収めてくれた。


「キアありがとうな」


「いえ、魔王様大事に至らなくて良かったです。ですが気を付けてください。最近のアイシャ様はデリケート質になっています」


デリケート所ではないぞアイシャの奴あの男を消そうとしていたぞ。要注意しないと、逆上していたし怒ったら何をするか分からないぞ。


「………おじさん先に行ってて私は後から行くからキア案内してあげて」


「かしこまりました」


「アイシャを1人にして大丈夫なのか」


「はい、多分大丈夫でしょう。しばらくは1人にさせた方がいいと思います」


「そうか。所でキアお前はずっと監視していたのか?」


「はい、アイシャ様が以前もあのような事が起きてからは隠れて監視していました。勝手ながら申し訳ござしません」


「いや、いいんだ。これからも監視をしといてくれ」


「かしこまりました」


今後あんな事が起きなければいいが。そうジャキは心配するのであった。



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