第5話 女勇者の実力

さてまずは相手の能力を知らないと、この世界は魔法術攻撃、呪魔術、自分自身が持つ固有能力の3つがある。魔法術攻撃は自分自身の魔力エネルギーを魔法に変えて攻撃することで魔力エネルギーが多いほど戦闘面では有利だ。呪魔術は呪いみたいなものだ。基本魔法攻撃は死んでしまったら魔法の効果が無くなってしまうが、呪魔術は死んだ後でも魔法の効果が発言する厄介なものだ。だが呪魔術を使えこなす奴はあまりいない。俺も長く生きているが、指を数えるぐらいしか見たことがない。だから呪魔術に関してはいないものと考えていいだろう。そして一番厄介なのが固有能力だ。固有能力は魔法とは違い魔力エネルギーが要らないのだ。だから固有能力は制限なしの魔法攻撃みたいなものだ。そして何より特殊の力を持つものが多い。俺も見たことが無いものがほとんどだ。


だから最初に相手の能力を知る事が大事なのだ。しかし一向に相手が仕掛けようとしない。…だったらこちらから仕掛けようとするか。俺は手のひらに魔力を溜めた。一発魔弾の打つ準備をした。


「最初の威勢は良かったが何もしないなら、こちらから攻撃するぞ」


俺は相手に揺さぶりを入れて攻撃をする事にした。


「…攻撃ならもう始めている」


「何⁈」


相手にそう言われて初めて気づいた。足元が草むらで見えなかったがよく見ると足首にツタみたいなものが絡みついていた。何の違和感も感じなかった。いつから攻撃していたんだ。


油断をしていると、相手の方から無数の魔弾がこちらに飛んできた。


「グッ!とんでもない威力だ」


大誤算だ先手を打たれてしまった。早く足首にあるツタを解かないといけない。俺はツタを手に持った。


「これは!」


手に持って気づいた。これはツタじゃない木の根っこだと、力づくで解こうとするがビクともしない。そうこうしている内にまた魔弾が飛んでくる。


「ドレイン!お前の力で根っこを解いてくれ!」


「既にやっているわ!操れないのよ!多分だけど相手の能力が植物を操る系だと思う。相手の力の方が格上で上書きが出来ないの。」


あの木の精霊のドレインが植物を操ることが出来ないとわ。とんでもない相手だ。それに場所が場所だ。ここは森林のど真ん中だ逃げも隠れもできない。どうしたらいいのだ。


「ジャキ王、能力に気付いていると思うが私の能力は植物を操作できる。それだけじゃない、植物の生命エネルギーを吸い取って私の魔力エネルギーに変えることが出来る」


何て事だ。実質魔力が尽きない事を意味している。あまりにも分が悪すぎる。それにさっきから力が抜ける感じがする。…まさかこいつ植物を経由して俺の魔力を吸い取っているのか!


「もう終わりだジャキ王 顔に焦りが出ているぞ。そろそろトドメにしてやる」


すると女勇者の手から鋭利な物が出てきた。


「この植物で出来たスピアでお前の心臓を貫いてやる! 死ね‼︎」


ものすごいスピードで俺の心臓に目掛けて飛んで来た。避け切れん。


「グッ! ゴハッ‼︎」


とんでもない衝撃と共に大きく胸部に穴が空いた。大量の血も流してしまった。


「ジャキ王‼︎しっかりしなさい‼︎」


何だか遠くの方でドレインの声が聞こえて来る。意識が無くなり…そうだ…。そして、ジャキ王はパタリと倒れてしまった。


「…死んだか?あっさりと行ってしまったな…植物で確認しているが脈は無い。だが本当に死んだかこの目で確かめてやる」


女勇者がジャキ王に近づく。


「・・・油断したな」


「⁈」


ジャキ王は生きていた。ジャキ王は能力を解除するのを待っていた。つかさず近づいて来た女勇者の左腕を掴み握り潰した。


「ウッ‼︎ グワァァァァァァー‼︎」


左腕はもう使い物にならないだろ。グッシャと音もしたし、骨も砕いてやった。痛みで闘う事も出来ないだろう。


「ウッウゥゥ ジャキ王!貴様騙したな‼︎ 不死身とは聞いていたが、まさか心臓を貫いても生きてるとは……脈も無かったぞ‼︎」


「この根っこは厄介だったからな、死んだフリをして何とか凌がせてもらった。諦めるんだな最後にお前の名前でも聞いておこう」


「・・・クックックっ諦める?まだ私は最後の切り札を出してないぞ!」


すると女勇者は右手に魔力を溜め出した何をするのかと思いきや、魔力を溜めた右手を左腕に攻撃した。


「グウゥ! はぁ、こんな役立たずの左腕は用済みだ!ワンの力を使ってお前を倒す!ジャキ王、私の名前はルミナス・アスレイだ!覚えとくんだな!」


ワンの力だと⁈」


驚いた。ワンの力を持っているとは思わなかった。すると女勇者ミルナは世界樹に近づいて操ろうとしていた。


「グッギッガァァァァァァーー‼︎」


無茶だ。あの世界樹を操るのは不可能だ。だがワンの力が有れば可能にする事が出来るかも知れない。でも長くは持たないだろう。


「グッガッガッゴッゴッロス ゴォロス!」


暴走してやがる。早く止めないと被害が大きくなるかも知れない。それにワンの力は厄介だ。


「ドレインお前も協力しろ‼︎」



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キャラクター紹介

 種族:人間族

 名前:ルミナス・アスレイ

ステータス

 魔力:800/1000

 物理攻撃:400/1000

 魔法攻撃:750/1000

 物理耐性:450/1000

 魔法耐性:700/1000

 持久力:500/1000

 精神力:250/1000

固有能力

 植物プラント

 ・植物を自由に操ることが出来る。植物の生命エネルギーを吸い取って自分の魔力に変えることが出来る。植物を経由して相手の魔力を奪い取ることが出来る。



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