第3話:極黒魔術師、1000年後の世界に降り立つ!
シイイイイイイイイイイイイーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンンン!!
シイイイイイイーーーーーーーーーーーンン!!
................
ん?なんだこの耳鳴りな音はー?あまりにもうるさいものなので、まどろみの中から急に意識が帰りつつあるのを薄らと感じながらなんか空から降下していくような感覚を覚えるんだけど....?
.......
「って、おいおいおいおおおおおおぉぉぉーーーーー!!!実際に落ちてくじゃんかーー!!!」
完全に目を覚ました俺は身体全体がこの光の輪みたいな柱の中にいると確認しつつ、真下へ頭から落ちる最中のを悟った。
「まったく何なんだよー!とてつもない長い眠りから目が覚めたかと思えば、いきなりこれだもんー!」
愚痴りながらも微力の魔力を放出する俺はそれをクッション代わりに地面へと柔らかく降り立った。
尚もこの光の柱が消えないのを見ると、構いなくそこから出てきた。
「うわあああぁぁ~~!.....ここはどこだろう.....? 砂ばかりじゃんかー!」
確かに、俺の記憶が確かならば、この深い眠りに陥る前には、俺が...
「そうー!俺は静野のやつに後ろから胸元、それもこの心臓そのものを剣で貫かれたんだったーーー!」
もうすべてが呼び覚まされる、「あの最悪な日」を。 かつてないほどのハイ・グブラハーの大群が『ヒデアキ』という町に押し寄せてくるから、それで俺と静野で迎え撃って
最後には地下に潜っていたカブトムシの怪物を【大柱総滅対破剣(ネファグレーツ)】で片づけられたんだけど......
「でも、その後は何の前触れもなく刺されたんだもんな、静野に......」
なぜそうしたのか分からない。
確かに、俺が激痛に苦しんで視線も聴力も霞んでいた間に、彼女は何かぶつぶつ言っていたのを辛うじて見た気がするんだけど....
「どうしてそんなことをしたのか、全くもって知らない。そこまでするほど俺に大きな非があるとも思えない....なにせ、魔物と戦闘中だったんだもんな。私情を挟む余地がないはずだ.....」
よって、何か切迫した状況に迫られていたから、あんな暴挙に出る以外ほかがなかったと察することができる。
「となると、原因は....おそらく、俺が今のここの...砂漠のようなところに転移させることが目的だったんだろうな......」
きっと、俺の力がこの地域の住民か何かにとって必要となってくるからそうしたんだと思う。
「確かに痛かったりしたんだけど、死んだのはあの時の一度だけではないんだよな...」
そう。前に俺が【シノマル】を開発する途中に、静野の協力を得て彼女に俺を殺させたこともあったんだっけー?
確か、彼女に、あの禁呪魔法、最高クラスの絶対必殺術である【凄殺血沸騰波流(ゲンドローシアー)】を使わせてそれで俺を完璧に息の根を止められたんだよね。
最初は最大級の爆発魔法【ドクレア】で以って、俺に打たせたんだけど、
「如何せん俺の魔力量が高すぎるからか、それほどの攻撃を加えてきても俺をただの軽い火傷で傷つけられたぐらいで、その後の俺はまたもぴんぴんに跳ね回って回復魔法までも唱えられるようになったから効果薄いんだもんな...」
まったく、我ながら困った人だぜ。お蔭で静野にいっぱい迷惑かけてしまったじゃないか。
「まあ、今は昔話の回顧をしていてもしょうがない。まずはここから探索したり空へと飛び立つなりして今の世界とこの地域そのものがどこにあるか、詳しい
地理を最初に確かめよう」
それをしてから人の集まりそうな町とかを探しても遅くないはず。
びゅううーー
「よっと」
飛行魔法、【エランス】を念じるだけで発動した俺はこの空中でこの砂漠あたり一面を遊ぶような感覚でさほど距離の離れない動きでここら辺を浮遊して浮かび回っている
だけ。さっきいたところへ振り向いてみると、どうやらさっき中から出てきたあの光の柱も消えたようだ。
「ーん?」
あまり距離は開いていないように見えるが、どうやらあそこの方面にある砂の丘で人影が見えそうになるようだ。
「運がいいな。空に上がって間もないのにすぐに状況を説明できそうな人と会えるなんて」
と、さっそく行動が決まったとばかりに、
「よし、行くぞ」
そう言うや否や、真っすぐにあちらへ斜め下の動きでやや控えめな速度で飛び下がっていく俺。
早い方だと怖がられたり警戒されたりするかもしれないからな。
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