第6話 市街地戦α
二階建ての道路に面している部屋に彼は居た。
彼?いや、少年だ。
「そっちはどう?」
「いや、まったく。いつもより静かなだけ」
「そう・・・」
隣の部屋に居る子から話しかけられた。
幸いにも簡単に答えられる物で良かった。
「ねえ」
「なに?」
まだ続く質問にビックリした。
昨日の子はそこまで長く質問しなかったからこれで終わりだと思ったのだ。
「これが終わったらどうしたい?」
「・・・さあ?そんな事。わからないよ」
銃を握る手が緩まった。
まただ。
昨日の子もそれで喧嘩になって食い殺された。
「そう・・・」
しかし、それ異常深くは聞かなかった。
銃を手放した。
部屋にあるクッションに身を置いた少年は、いつの間にか部屋から出た子を見た。
自分より年は下そうだ。
「なんでこんな事をしてるかわかる?」
「さあ?」
「大人が賢いからだよ」
隣に話掛けてきた子が座った。
ちょっと臭い。
「なんで賢いから戦争になるの?」
「これは紛争だよ」
「じゃあ、僕たちは粉みたいな物なの?」
「それは知らない」
肩を少し上げて服の調子を整えた。
「大人は賢いからこんな事をするんだ」
「だからなんで?」
少年は少し苛立った。
本題に入れてないからだ。
「それはわがままだからだし、おバカだからでもある」
「つまり?」
「子供すぎるんだ」
そして彼は立ち上がった。
銃を床に置いて手元には何もない状態で。
意味がわからない。
「じゃあ、僕たちと同じなの?」
「そうとも言えるし、そうとも言えない」
意味はわかった。
でも、なんでそうなるんだろう?
「ふ~ん」
しかし、少年は疑問に思うだけに止まった。
それで気が変わったのか彼はなにも言わずに部屋へと戻っていった。
そして、砲撃の一番最初の着弾地点になったのであった。
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