第2話 強襲揚陸部隊

[32分前···]


「降下準備用意!」


その言葉を聴いて彼は瞼を開く。

目の前には人が居た。


「装備チェック!」


「「「イエッサー!」」」


適当に答えて前に居る隊員の装備をしっかりと確認する。

問題は無い。

足のは各自もう点検し終わっている。

こんな所で確認しようものなら、この輸送機はヴァルハラを戦場にするだろう。

まあ、すぐに雷とか水とかで無惨に死ぬだろうがな。

ランプが赤く点灯する。横の壁に付いているランプだ。

機体中央にあるのは違うやつだ。そっちは先に投下する荷物だ。

ガラガラと荷物が投下されていく。

そして、その次は我々の番だ。


「降下用意!!」


風とプロペラに・・・ああ、それと自分の息が少々。

そんな音の中をなんとか聞こえるようにスピーカーは音量調節してくれた。


「降下!!」


ランプが黄色から緑に変わる。いや、青か?

空挺降下部隊は身を投げ出す。

一瞬、息が詰まる。

足は斜め上に。

筋肉を引き締めて風圧を耐える。

そして、足のシューズが自動で落下速度を緩やかにして、地面へと足から着地する。

ズサァ~と砂が舞い、滑るように着地した彼は銃を手に建物へと駆け寄った。

すると、そこに続々と仲間が集まってきた。タンクまでもだ。

タンクに乗った彼は移動速度を隊員の歩行速度に合わせながらすすんで行った。

坂道の切れ目が世界を別けているように感じた。

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