リコ・プラス~船の浮くこの世界で生きてゆく~

デルタイオン

第1話 あの大空よりも高く

どれだけ飛んだんだろう?

あの大空の中に僕が居るのなら、きっと僕は微笑むはずなのに。

僕は飛翔する。

背中に銀の翼を広げ、この積乱雲の中。ただ視界に映る場所に体を向けて。

そこなら、あれを撒けるはず。

この機械の固まりから受けとる感情は、嬉しさで満ちていた。

積乱雲の先の更に先へ・・・


[エマージェンシー:弾薬庫に火災発生]


突然、視界が何処かへ向いた。

どうなってるのかわかった。

落ちてるんだ、僕。

視界が真っ暗になった。

体に強い衝撃が来た。


[パイロットの安全プロトコルに基づき、緊急配備パイロットに情報を転送します。5・4・3・2・1・・・完了]


瞬間、僕は気絶した。

そして、ゆっくりと痛みが強くなり続け。最終的には頭はガンガンとハンマーで叩かれているような痛みがする。

痛い。

頭の中まで痛い。

頭の中心部が熱い。

マグマみたいに熱い。

またゆっくりと意識が降る。

カツコツと音が聴こえてきた。

意識が消えた···

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