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     * * *




『や! 子供扱いしないで!!』



 “彼女”の娘である小夜の事が愛おしくて仕方がなかった。



『ねー、やしおさん!』

『やーしーろ』

『やしおさん!』

『……サヨちゃん、もう一声…』

『やー、しー』

『やしろ』

『よしろ!』

『だああぁっ…!!』

『?』



 歳の離れた妹のようで、娘にも近い感覚だったんだと思う。それに──…。



『──八代。こんな所に居たのか』

『!、先生』

『サヨ…は、眠っているのか?』

『さっきまでグズってて…。起こしたら可哀想だから……』

『こんな所に居たら、二人共、風邪をひく。来なさい。──ほーらぁ~、サヨ! 駄目じゃないか、八代に迷惑を掛けたら』

『………。先生…』

『何だ?』

『俺、背負います』

『…眠った幼子は、なかなか重いぞ?』

『でも…』

『…………、ああ。頼むよ』






 日に日に。小夜は、あの人の面影を強くしてゆく──。




「──重くなったな…」





 

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