第5話





今一番困ることは例の生徒だ。




「先生、これのどこが間違っているんですか?お父さんに聞いても間違ってないの言ってバリで」




「ならお前が見つけろよ」




「先生なんだから教えてくださいよ」




「こっちにも授業準備とかあるんだよ」




「すぐ終わりますから」




「おらない。、聞きたいなら王様のもとをたずねてこい」




「尋ねても教えてくれません」




「面倒」




という会話を毎日している。そろそろ諦めて自分でしてくれないかなとか思いながらいる。進路決定がある。一人ずつ違った。クラスのうちの十人は郡ではなく別の道に行くらしい。興味はないが一人は自分の農家を継ぐ。俺が教えた生活魔法を使って。もう五人は大学まで行ってそこでまた学ぶらしい。二人は自分の家を継ぐらしい。あと二人は冒険者になるらしい。




一応、冒険者だけどそんなにオススメはしない。死んでも助けられる確率が低いし、いつ死んでもおかしくない職業だからね。それに最初は簡単なことしかでできない。それに先輩にお金を取られたりもするからそこまでである。でもなりたいと言うなら応援する。それが遺命だと思っているから。




それからは進路に向けた準備を始めた。冒険者になる二人には知恵を貸してあげた。




軍に入る連中にも必要最小限のことを教えてあげた。一番めんどくさいのが明後日に予定している森に湧く温泉に入りに行く校外学習である。夏なのに温泉である。男子はとても楽しそうである。多分覗けるからだと思う。この子達は夏が始まることろには軍や自分の進路の向けて動き出すからだ。俺たち混浴温泉によく泊まるから別に女子の裸に全く抵抗がない。でも魅力的に見える人はいる。特に俺の妻とかはそう思える分類である。最近仕事が忙しくてまともに話していない。そろそろ切れられると思っていた。別に怒らなかった。




「どうしたの?」




「ほっておいたのに怒らないのか?」




「怒らないも何も、仕事だから仕方ないよ」




抱きしめた。とても可愛い上に素直でいい子。マジで最高の奥さんだと思ってる。




「このまましちゃおうか?」




「ダメだよ。ココアが隣にいるから。でも」




チュ。久しぶりのミレナからのキスである。少し照れていた。




「話したっけ?」




「何が?温泉の件と魔人族の件は聞いたよ」




「話したか。その次の日に卒業式なんだよ。早いよね」




「そうだね。そのあとは暇になるの?」




「そのクラスが終われば、一旦教師は辞めるよ。王様に頼まれればやるけど」




「そっか。これからどうするの?」




「特にきめてないけど」




「へぇ。確か明日休みだよね」




「ああ。その買い出しとかがあるからな。その近くにある村が作ったプールがあってな。その水着を買いに行くとか言ってたな」




「そっか。明日はココナは学校だよね」




「そうだな。俺が送っていこうか?」




「二人で行こう」




「いいぞ。そろそろ寝よ」




「そうだね」




その後は寝て、次の日はミレナよりも早く起きて朝食の準備をした。僕が持っている異空間収納は入れた物の時間を停止するから肉とか入れておいても腐ることはない。その中から卵を出して目玉焼きと卵焼きを作った。砂糖の方の卵焼きである。イノシシにくを出して食べやすい大きさに切って炎魔法で焼いた。その方が肉汁を閉じ込めることができて美味い。それを弁当煮つめて他にも野菜をバターで炒めて、ご飯まで入れてあげた。




ミレナが起きてきた。




「おはよう」




「おはよう。何してるの?」




「弁当作ってる」




「え、料理できたの?」




「元は冒険者だよ。そのくらいできるよ」




「嘘。それに米がある。これ高くない?」




「これ少し前に買って忘れてた」




「それ大丈夫?」




「大丈夫だよ。異空間収納収納に入れて置いたから」




「それ幻魔法」




「いや、冒険してたら穴に落ちて上がる方法ないかなとさがしてたら見つけた」




「そっか」




蓋を閉めた。布で筒であげた。




「完成」




「驚くだろうね。貴族でも買えるかどうか分からないものが入ってるからね」




「そうだな」




朝ごはんを食べた。娘を同じく。着替えをやっていた。




「お父さん、仕事は?」




「今日は休み」




「いいな」




「ココナも休みはあるだろ?」




「あるけど、一緒に遊べてない」




「そうだな。あともう少しでこの仕事も終わるからそれが終わったら遊ぼうな。その頃には夏休暇に入るだろうから」




「うん」




僕も着替えることにした。ココナのお着替えが終わったミレナも着替えを始めていた。僕に見られても抵抗が全くないらしい。




「うん?」




「見られても抵抗ないのか?」




「別にレイだし」




「そっか」




着替え終えて娘の手を引いた。肩車がいいって言うからしてあげた。




「お母さん。高いよ」




「本当だね」




適当に話していると学校に着いた。俺が務めている学校の裏に小さい子用の学校がある。




「あら、ココナちゃん。その方は?」




「お父さん」




「今日はお父さんが来てくれたの?確か忙しいとか?」




「今日は休みなんだって」




「へぇ」




「お仕事は何をされているんですか?教えられる範囲で構いません」




「高等部の三年の教師をしています」




「だから忙しかったんですね」




「はい」




「お父さん、お母さん行ってきます行ってきます」




「行ってらっしゃい」




「うん」




「お預かりしますね」




「はい」




坂をおりて、買い物をすることにした。ミレナはすごく可愛かった。今日は白いワンピースに黒いコートを着ている。




「ねぇ」




「何?」




「私以外に女に興味無いの?王様みたいに何にも手にかけているみたいに。レイの人気度なら出来ると思うけど」




「いらない。ミレナだけで充分」




「そっか」




手を繋いでいる。別に特に意味はない。歩いてると生徒にあった。




「先生じゃん。何してるの?」




「お前には、関係ない」




「エルフか?」




「はい。エルフです」




「先生もしかして性奴隷買ったの?」




「いや、買ってないぞ」




「ならなんで」




「レイの妻のミレナと言います」




「え、妻、ってことは先生結婚してたの?」




「少し前にな」




「いいな。結婚したな」




「ならアケミとすればいいだろ」




「なんで、先生知ってるの」




「後ろに隠してるもんな」




「うるさい」




「先生。こんにちは」




「こんにちは。こいつのどこがいいの?」




「たまにとても頼りにある所とか、私が悩んでいる時に二番で聞いてくれたりとか」




「俺二番なの?」




「いつも先生の方が早かった」




「そんな」




「レイ先生、すごいだよ。私が少しでもいつもと違うとすぐに気がつくよ」




「そんなに見てるのか?」




「いや、魔物を見る癖でついな」




「先生って元々何してたの?」




「冒険者だけど?」




「だからあんだけのアドバイスができるのか」




「悪いか?」




「悪くないです」




「ねぇねぇ」




「なんだよ」




耳打ちしてた。スキルの地獄耳で聞こえていた。先生も久しぶりのデートだからこれ以上は可哀想だよ。




「そうだな。先生そろそろ行くな」




「ああ」




言ったのを確認したら、




「あの子たち優しいね」




「聞こえてたのか?」




「私エルフだよ」




「そうだな」




「レイは、スキルでしょ?」




「ああ」




服を買いに服屋に行った。選べながら気になったことを聞いた。




「ココナの首の傷と耳と腕の傷はなんだ?」




「気づいたの?」




「ああ」




「あれは公爵家の子に付けられたの。先生も公爵家だから簡単に手出しが出来ないの。私もそんな地位はないから」




「それなら早く言えよ」




「え。レイでも無理だよ。神官より強い地位だよ」




「はぁ。俺の娘に手を出したやつは貴族だろうと王様だろうと手加減はしない」




「怖いよ」




「潰す。選んで帰るぞ」




「うん」




服を五枚くらい買った。家に帰ってから理事長に念話を飛ばした。




『何』




『明日休みます』




『何かあったの?力になるよ』




『家族件なので一人でやります』




『分かった。君の代わりに養護教員連れていくから』




『助かります』




『次の相手は誰?』




『公爵家です。ツツミカゼとかいう』




『最近なりたての家じゃない』




『そうなんですか?』




『ええ。それもそこの娘はとんでもない問題児でワイバーンを献上したから仕方なく公爵家にしたって聞いたよ。それが今や英雄と呼ばれる娘に手を出すとは馬鹿ね。潰されるね』




『もちろん。学校にも手加減はしません』




『怖いわ。学校のことは任せてちょうだい』




『お願いします』




念話を切った。




「休み取れた?」




「ああ。こレから情報屋に行くぞ」




「うん」






家から歩いたところにある情報屋に行った。懐かしいと思いなが扉を開けた。




「いらしゃい。って賢者様」




「お久しぶりです」




「はい。ごぶたさです」




「それで少し調べたいことがあるんだけどいいかな?」




「全然」




「どうも」




「隣の方は?」




「レイの妻のミレナと言います。よろしくお願いします」




「これは丁寧に。結婚したのか?」




「少し前にな」




異空間収納からアクセス用腕輪を出してアクセスした。どんな情報でも手に入っていしまう。先程の公爵家について調べた。




「その人なら数日前に来てココナって子について調べてくれと言われて調べました。一応、平民とお伝えしました。調べたら不明でしたし」




「そうか。これを全て印刷してくれ」




「はい」




不正行為について全て印刷させた。




「レイって知り合い多いの?」




「大半が冒険者時代の人だな」




「そうなんだ」




終わったみたいでそれを受け取り王様には手を回しておいた。これからの経営に影響が出ないように出るととんでもない金額の赤字となる。それを防ぐためである、学校はあとだな。その前に公爵家をどうにかしないとな。一緒に着いてきてもらった。一人の時に何をされるかわかったものじゃないから。普通に通してくれた。




「それでココナちゃんとかいうこの親がなんの用で?」




「あなたのところの娘さんが私の娘を傷つけてくれたからね。それについてね」




「なんのことかな?」




「これだか」




「なにかいったかな?」




「なんでもありません。それでどうするつもりですか?」




「証拠は?」




「本人ですよ」




「そうですか」




「今殺そうとしても無駄ですよ。理事長が保護しましたから」




「そうか」




「自分の娘が通ってるほうじゃないですよ。高等部の理事長ですからね」




「クソ」




「これだけのことをしてくれたんだ。責任をとってもらうからな」




「何円ですか?閃貨五枚ですか?」




「俺はお金はいらない。君たちなりの適切な判断が欲しい」




「ならお前らの命でいいな」




「動くな」




足が凍りついた。




「何をした」




「僕が何の準備もなしに来ると思うか?」






ちょうどドアが開いて髭の生えたを男性が入ってきた。




「間に合ったか」




「別に問題はありません。あなたがたが来てなかったら屋敷ごと向き飛ばすつりでしたから」




「それは良かった」




「相変わらず。変わりませんね」




「何年ぶりだけ?」




「十九年ぶりですね」




「そんなに経つか。時間が経つの早いな」




「いいじゃないですか。それだけ充実してたんですからみ」




「そうだな」




「これ解除しろよ。これは公爵家命令だ」




「「お断りします」」




「息があってる」




「これがミレナちゃん?」




「そうですよ」




「王様から聞いてるよ。美人のエルフと結婚したって」




「そうなんですか?」




「うん。でも君を知ってる一部の人間だよ。だから心配しなくていいよ。それにこの世界に君以上のアクセス権を持つものは存在しないからね」




「そうですね」




「それでこいつどうしたすか?舌でも抜きます?それとも歯を一本ずつにします?」




「そんなにぶそうなことはしないよ」




紙を開いた。




「王様からの通達状。この時間を持って君の貴族権限を剥奪。それとも領地、屋敷諸々回収。それと今回の慰謝料として閃貨一千五百枚をレイに払うことを命じる」




「嘘だろ。本当のことです。連行しろ」




「はい」




「今回は動いてもらって済まないな」




「いえ。この位は」




「そうですか」




「では失礼します」




「はい」




帰ってから証拠集めをした。壊れたカバンの魔力などの痕跡とか調べた。それは特にない。でも酷く破かれていた。ミレナが残しといてくれた服とも調べた。魔力痕跡はなかった。




「何かあった?」




「これで一応、証拠となる」




「そっか。あとは本人がいれば問題ない。向かいに行くか」






ガチャ。




「入るよ」




「誰?」




見に行くと、




「理事長」




「送ってきたよ」




「ありがとうございます」




「気にしないで、ご飯美味しかったね」




「はい。とても美味しかった」




「良かったね」




「ミレナさん。上手いですね」




「今回、私は作ってません」




「え、ってことはレイが作ったの?」




「そうですよ。今日寝坊しまして」




「そっか」




「お父さん」




「何?」




「ありがと」




「いいよ」




「それで学校はどうするの?」




「明日潰します」




「そうか。私はそろそろ」




「生徒が卒業したら養護教員と理事長と僕の家族でご飯でも食べに行きましょうね」




「そうね。ココナちゃん。じゃあね」




「うん。またね」




すごく可愛い。それから傷を見せてもらった。それから夕ご飯を作った。ミレナが協力してくれたから時間がかからなかった。美味しいと評判だった。ミレナがお風呂に入れていた。その間に明日の準備をした。




「ココナちゃん。拭かないと拭かないと風邪ひくよ」




こっちにちょうど走ってきから捕まえた。




「ミレナ」




「ありがと」




「ラブラブだね」




「そうか?」




「うん。亡くなった両親はそこまだだったから」




「そうか」




いこいこした。ミレナに渡した。それから準備の残りをした。服を着たココナが来た。




「お父さん何してるの?」




「明日の準備だよ」




「そっか」




「何かするのか?」




「これしよ」




絵本だった。




「俺が読めばいいのか?」




「うん」




ソファに座って、膝に乗せてあげた。




「昔昔あるところに神様がいました。その神様は魔王を倒せるほどの人間を探して一人で旅をしていました。魔物に襲われて死にそうになっている時に一人の男性に助けられました。職業が勇者でこの国の次期王様でした。その人に助けを求めました。しかし、その勇者は断りました。なぜってその時には恋人がいたからです。昔母親をなくし、その悲しみを知っているからこそ、その子にさせたくなかったからです。でもこのままだと世界が終わってしまう。他にそれを倒せる人はいないかと探しにまた旅に出ました。そこで出会ったのは小さな少年でした。それもありえないほどの魔法使いでした。それも職業は大賢者でした。その人に協力を求めると簡単に引き受けてくれました。大賢者はレベル上げをしました。それで魔王に挑みました。しかし、力の差は当然。殺されたかけた時、聖堂覇が飛び、命を失わずに済んだ。それ撃ったのは断った勇者でした。神様が、「どうしてここにいるの?」と聞くと恋人に女ひとりも幸せにできない人が私を幸せにできるの?と言われてしまい、来たのであった。こいつは魔王が滅ぼそうとした時に倒せるようにたくさんの人間を集めていた。それによって魔王は倒され、一躍有名になった。一返事でおっけいした大賢者と結婚してその間に二人に子が生まれた。それの男性の方に大賢者が引き継がれました。神は仕事を終えて神の世界に帰りました。しかし、魔王を倒された子によって怒った魔人族が反撃をして魔力が残っていないタイミングで攻撃をされてお姉さんとお父さんは死にました。しかし、友達を家に遊びに行った弟は生き残りました。それが魔人族と知ると勇者関係の人達と魔人族を倒しに行きました。魔人族がお姉さんことを話していて引き継いだ大賢者が魔法暴走させて危険魔法の広範囲殲滅魔法を発動してそれを全て消し去りました。それは後々魔人族殲滅事件と呼ばれる。そしてその倒したパーティーは破壊者と呼ばれる。そして大賢者を引き継いだ男には仮職業として賢者が与えられる。それと権利なども色々与えられてそれを受け取ってからは姿を消した。でも今でもどこかで生きているだろう。そう信じている」




「お父さんは生きてると思う?」




「思うぞ。(これが自分だって言えない)」




「レイ、出たよ」




「うん」




「絵本読んでもらったの?」




「うん。この本」




「大賢者?」




「すごいだよ。魔人族を殲滅するんだよ」




「へぇ」




「お風呂入ってくるな」




「うん」




お風呂に入った。気づかれるのも時間の問題だな。でもあれが本化されていたことは知らなかったな。出て着替えて出ると紅茶入れてた。




「飲む」




「貰うかな。ココナは?」




「寝たよ。読んでもらえて嬉しかったのね」




「そうか」




「にしてもあれに興味を持つとはね。バレるんじゃない?」




「多分な」




「あれって実実なの?」




「実実だよ。言ってなかったけど、俺半分神だから」




「嘘」




「本当だよ」




「そうなんだ」




紅茶を飲んで、歯を磨いて寝た。



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