第11話
「おかえりなさい」
「ああ」
「良かった」
エナが抱きついてきた。
「大丈夫だから」
「うん」
離れてもらって立ち上がった。王に軽く挨拶をした。
「また来るとはな」
「仕方ないだろ。あれほどの人間がいるとは思わなかったから」
「そんなものか?」
「そんなものだ」
「その人もいい趣味しているよね」
「それもそうだな」
「これから何する予定だ?」
「お見合いでもしようかと」
「嘘」
「何かおかしいこと言ったか?」
「うん。レイナはいいの?」
「少し待ってレイナって誰だ?」
「知らない方がいいよ」
「そうか」
「その子に言われたんだよ。結婚して幸せになって欲しいとね」
「ふん。紹介しましょうか?」
「いや、街の村長の紹介の子に会ってみたいから」
「無理にとは行かないからね」
「うん」
ドラゴンをしまって普通に門から出て家の道に着いた。少し歩いたところにゴブリンの群れに襲われている子がいた。
「あれはゴブリンと戯れているのか?」
「違いますよ。襲われているんですよ」
「そうか。お前らは周りの警戒を任せる。あいつは俺がやるよ」
「はい」
ストレージから神々から頂いた太刀を出した。名は神剣天叉大蛇らしい。それに触れた瞬間に頭に声が響いた。
『プロセス開始。第一プロセス。剣適性はあり。認定。第二プロセス開始。形の変化』
僕に合うように大きさが変わった。これは適性がある人に合わせる剣らしい。凄く貴重である。
『第二プロセス終了。最終プロセス。魔法適正、ギフト適性の鑑定に入ります。鑑定。完了。適正あり。全てのプロセスを終了。魔力を装填します。開始』
剣に一気に魔力を吸われた。そこまで問題は無いけど、ぼくの魔力は鑑定では数字が表示されているけど、本当の数字ではない。僕の魔力は無限であるから。神々の配慮だと思う。
軽く振ってみると波動が飛んでいき、ゴブリンを半分に切り裂いた。
「きゃあああ」
身体強化でそこまで行って前に立った。ゴブリンが仕掛けてきたから軽く交しながら交わした瞬間に首に引っ掛けるように切り裂いた。
「フゥ」
「キレイ」
これのどこが綺麗なんだよ。残酷的な感じたろ。それかキモイだろ。全て倒し終わった時真っ暗になった。上を見るとゴブリンキングがいっらしゃった。
「これはこれは」
「逃げましょう」
「大丈夫だよ」
『魔力剣発動』
剣が水色になり、魔力を纏った。
「セバス」
大声で叫んだ。
何も無いところから現れた。
「御用でしょうか?」
「そいつの護衛を頼む。こいつの攻撃が飛ぶかもしれから」
「了解しました」
下がって女の人を連れていってくれた。
「でもあの人が死んじゃう。冒険者ランクがAランク以上でもあんな化け物倒せるわけない」
「見ていれば分かります」
剣を構えた。僕の構え方は特殊である。ゴルゴンの剣術を自分なりに使いやすくした結果である。一発目がすごく早くて連続技がしやすいのが特徴の技である。手で潰そうとしてきたから加速して交わしてその手に乗り、切りながら肩まで行き、ジャンプして重さをかけて崩して頭から下まで半分に切り裂いた。血が噴いた。瞬時に結界を貼って守った。
「あれがおの人の実力」
「あれでも全く本気を出していませんよ。あの方の本気は魔法ですから」
「そうなんだ。凄いですね」
「あの方は凄いで片付けることはできません」
「そうですか」
剣を振って血を払って鞘に戻した。飛び越えて女の人と元に行った。
「セバス、周りは?」
「ゴブリンの別の群れがここに向かっていたのでエナが処理しております」
「郡勢はどのくらいだ?」
「百近くは」
「大丈夫か?」
「心配ならこちらからも出しては?」
「そうだな。眷属召喚」
「お呼びでしょうか?」
「エナの応援頼む」
「了解しました」
音も立てずに消え去った。
「あれがいれば大丈夫だろ」
「はい。問題ないと思われます」
「ストレージオン」
剣を収納した。その後、眼鏡を出してかけた。
「それでこんな所で何をされていたんですか?」
「ものを売って必要なものを王都で取引して帰りなんです」
「そうか。町ってこの先の町か?」
「はい。知っているんですか」
「ああ。今そこに向かっている最中だった」
「そうなんですか」
「ちょうどいい。これと同じことがあっても困る。俺たちが護衛をしよう」
「でもお金が無いから冒険者ギルドにも頼めないのにいいですか?一円も払えませんよ」
「いいさ」
「優しい方なんですね」
「さぁな」
「もしかして私の体が目当てですか?」
「そんなじゃない。でもどうしてそう思う?」
「今、私の村」
「それ長くなりそうだな。動きながらにしよう」
僕は隣に乗ってゼバスには後ろの荷物置き場に座ってもらった。
「それで?」
「今、私の村では新しい領主と名乗るものが現れて税金の値上げや収穫物の沢山巻き上げたり、若い女性を自分のものにしたりと自分勝手にやってくれているんです。若い女性の中には妊娠させられた人もいて体目当てでは無いかと疑ってしまったのです」
「そんなことに。名前は?」
「コイナ=コナスとかいう人です」
「聞いたな。セバス、エナ」
「気づいていたんですか」
「当然だろ。その名前の調査を頼む」
「了解しました」
「一日で頼む」
「はあ」
「あの人たちは何者なんですか?」
「僕の眷属」
「え」
「普通の人をした訳では無いぞ。魔力と魔法で生み出した眷属」
「そうなんですか」
「ああ」
「私は」
「セナは俺たちと着いてくればいい。出来れば隠密行動してくれると助かる」
「了解しました」
「消えた」
「魔法の一種ですよ」
「そうですか」
町に着くと簡単な門みたいなのがあった。
「通行料銀貨三十枚だ」
「ふざけないで」
「払えないなら体で払うか」
「はぁ。ほらよ。二人分これで文句はないか?」
「ああ。金を支払ってくれれば」
通してくれた。
「すいません。今、金がそこまでなくて、冬支度の方に金を使い込んでいて」
「そうか。気にするな」
行くとキャンプをしていた。
「どうしてキャップなんか」
「私の家、今領主様に取られていて。少し前はあのでかい屋敷に入ろうとしたけど結界があったらしく入れずに私たちのところに来て奪っていきました」
「そうか」
「ただいま。おじいちゃん」
「ああ。おかえり。その方は」
「ここに来る途中にゴブリンの群れに襲われている時に助けて貰ってここまで護衛をしてもらったの」
「それはありがたや。でもお金は」
「そんなのはいいです。【ストレージオフ】」
コートを三着出した。セナには先話した時に渡した。
「これをどうぞ」
「こんないいもの」
「気にしないでください。それにこれイノシシの毛ですよ」
「嘘、イノシシの毛っていいものだと小金貨になるとか言われているもの」
「来た方がいいですよ。風邪引きますよ」
「でも」
「これは貰った方がいい。この人は隠しているけど膨大なら殺気を感じる」
「そうですか?」
「ああ。長年の感が言っている」
「そうすか」
キャンプを畳んだ。
「何をしている」
「こんなとこじゃあ。風邪をひきますよ」
「でも」
屋敷の方に案内した。
「ここはよくわからないです」
「僕に触れてください」
「はい」
そのまま門をくぐった。
「え。どうして入れるの」
「ここ、僕の屋敷ですしね」
「え」
「しっかりと国王に貰ったから大丈夫ですよ」
馬を引いて裏に置いてきた。荷物は倉庫に入れて置いた。ずっと同じ温度で保ってくれる魔法が付与してある。鍵を出して中に入った。
「広い。それにとても綺麗」
「娘が綺麗好きで」
「娘さんがいるんですか」
「はい。今は魔印剣学院に通っています」
「それってそれなりの名門校じゃん。凄い」
「そうですかね。よく分かりません。ついてきてください」
二階に上がって一番手前の部屋の鍵を出して、
「ここ使っていいですが、どっちが使います」
「二人でいいですよ」
「それはダメですよ。この子もお年頃なんですから」
「私のことをそう見てくれるんですね」
「僕、結婚したことないですしね。とても魅力的な方だと思いますよ」
「でも子供がいるって」
「ああ。拾った子ですよ」
「そんな子を」
「はい。確か十三の時に拾ってそこから今まで育てていました」
「え、今なんて」
「十三の時からと」
「十三歳で子育てって凄いな」
「そうですか。その時からそれなりの金は得ていましたから」
「そうなんですか」
「はい」
「今はなんの仕事を?」
「今はニートをやっています」
「それなのにこんな家を」
「と言ってもよく王様に呼び出されてこれをやってくれと頼まれてやっているんですよ」
「そうか。ニートの前は?」
「冒険者ですね」
「やはり、数十年前はありがとうございました」
「どうしたの、おじいちゃん」
「少し前に話だろ。この村にブラックドラゴンが襲ってきた話をそれを討伐されたのがこの方だ。それでも数人の被害は出たがな。でもその数に抑えられたのはこの方のおかげだ」
「それを言われても嬉しくありません」
「おじいちゃんがせっかくお礼を言っているのに」
「マナ、仕方ないだ。この方はその戦いで大切な人を失ったからな」
「え、嘘でしょ」
「本当さ」
「本当のことだよ。でもあの時のことを覚えているなんって予想外ですよ」
「そうか。でもこの街にとって君は英雄だよ。それに君はブラックドラゴンに目もくれずに去っていたからな」
「色々ありましてね」
「そうか。それは効かないでおこう」
「そうしてくれると嬉しいです」
「そこでだ。今結婚している人がいないならこのマナを貰ってくれないか?」
「そうですね。少し検討してみますね」
「ああ。そうしてくれ」
「私が悲しさに老けている時に私のお見合いの話が進んでいる」
「ここはおじいちゃんの方でいいですね」
一階におりて階段の後ろの通路を行ったところにある部屋をマナに貸した。風呂を綺麗にしてマナから入ってもらった。その後、おじいちゃんに入ってもらった。着替えの準備もこちらでした。その間に眷属を数人出してベッドの準備と掃除をさせた。その間に夜ご飯を作った。
「いい匂いがするな」
「私手伝います」
「座ってお茶でも飲んでいて」
「はい」
今日はカレーにした。眷属たちも集めて夜ご飯にした。風呂に入って寝た。眷属たちに部屋の前に立ってもらった。寝ている部屋は。あの人たちがお風呂に入っている間に王様宛にメッセージ魔石を飛ばしておいた。
『俺だ。緊急の用事だ。これを聞いたらすぐに調べて返してくれ。調べて欲しいなはコイナ=コラスという名だ。そいつが俺の屋敷がある所の領主とか言って街を占領してやがる、どうにかして欲しい。このままだと数人の死者が出ると僕は予想している。頼んだぞ。それと今回来る時は聖女は連れてくるな。危険なものになる。以上』
これを送った次の日の朝には着いていた。
「聞いたな。執事、極秘部隊に調査させろ。期限は二日だ」
「はあ」
「それにしてもあいつの周りは色々起きるな」
「あなたどうしたの?」
「いやな、魔塔からメッセージが届いていな。少し面倒なことが起きている」
「そうなんだ。気をつけて欲しいね」
「あいつなら大丈夫」
「そうだといいね」
「ああ」
次の日の朝、時間になって起きてこないから心配になった二階に上がってマナの部屋をコンコンと叩くと、
「はーい」
声がしたから開けると何も来ていない姿でいた。今、着ていた服を脱ぎ終わって新しい服を着る最中だった。
「すまん」
ドアを思いっき閉めた。マナはその場に丸まって、
「レイ様に見られてしまった」
の真っ赤になっていた。
なんか申し訳ない気持ちになっていた。一階に降りるとセバスとエナが居た。
「調べてきました」
「サンキュー」
「それでどうだった?」
「少し複雑というか面倒というか」
「そうか」
「金銭面はやばいです」
「そうか。報告を聞こう」
「はい」
窓をすり抜けて入ってきた。
「少し失礼するな」
「はい」
「それは」
鳥の頭を撫でた。
『お前に頼まれ。急いで調べた。詳しい情報は調べ終わったら知らせる。コイナ=コナスという名の貴族は存在していなかった。他にも数年前にそいつの家族が王族を殺しかけたことがあった。そいつは今は死んでいる。墓を調べたが特に何も問題はなかったらしい。あとそいつは親族たちからも関係を切られて貧乏のはずだ。今知っている情報はこのくらいだ』
魔石に戻ったからストレージに収納した。
「その方凄いですね」
「そうか」
「はい。私が調べた五十くらいを言われたな。財政面は本当に酷い」
「そうか」
「その家族についてなんですか。アンデット化しておりました、一応、浄化処理をしましたよ」
「助かった。調べても問題なかったというのは?」
「私が処理をしたあとだと思います。それにどれほど調べても貴族になった履歴がありませんでした」
「そうか。セバスは?」
「はい。この町に来たのは領主がいないと思われたからで、ここを使えばどうにか金儲けができると考えたかららしいです。それとこないだ潰した研究会がここを進めたらしい」
「よく調べ上げたな」
「このくらい当然です」
「ここと関わりがあった貴族の大半が離れていました。そいつらに聞いたところ酷い条件で契約させられそうになったそうです」
「よく会えたな」
「少し荒業を使わせていただきました」
「そうか。存在だけはバレるなよ」
「それについては問題ないです」
「そうか」
「おはようございます」
「ご飯はできているから食べてしまいなさい」
「はい」
目を合わせてくれなくなった。先程のことそこまできにしているのか?悪いとは思っているが一緒に住んでいるとたまにある事だから仕方ないと思うけど。
昼になると少し外が騒がしくなったから二人を連れて行ってみると鉄の装備や皮の装備を着た三人が村長の家の前で抗議デモをしていた。
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