第9話





「フゥ」




「お疲れ様です」




「セバス。状況は?」




「だいたい終わりました。おつかれさん」




「はい」




魔法陣を出して必要以外は戻ってもらって休憩してもらった。結界を解除して食事を全て王様が手配してくれた。本当に使える王様で助かっている。時間になると先生が起こして回った。それから生徒たちには食事を取りに来てもらって教室で食べてもらった。今回の献立は黒糖パンと野菜たっぷりスープである。それを眷属と僕が配った。全て終えて椅子に座っていると炎龍が来た。




「よす」




「どうも。どなたでしたけ」




「知っているくせに」




「娘が世話になっているな」




「本当に鬼みたいに教えこんだんだ」




「一応な。犯罪者と対等に戦えるくらいにはな」




「今のあの子はそれ以上だと思うけどね」




「そうか」




「うん。私の代わりに戦ってくれてありがとうね。普通は教師が対応する案件なのに」




「いいさ。それに遊ばずに本気でやればもう少し早く片付いていたからな」




「それは気にしてない。理由があったんでしょ?」




「魔力が少なくなっていた」




「例の飛行船の付与で?」




「よく知ってらしゃる」




「だってあれにきみをつかえばといったのわたしだもん」




「余計なことをしやがって」




「ごめんって、でもそれなりに金は出るでしょ」




「そりゃあ」




「ならいいじゃん」




「マリア。確認終わった。でそちらは?」




「そちらこそ」




「やめて」




「それでそいつは?」




「私の旦那のリュウさん」




「それはどうも。お世話になっておりました」




「ほぇ。過去形」




「今のマリアに関わりは特にないですからね。昔はありましたけど」




「何があった」




「はぁ。この人レイ、二つ名は魔塔」




「もしかして、マリアが言ってた魔法の中で最高峰クラスでこの世で古代魔法が唯一操れる男か?」




「そうだよ。昔、私たちのチームだったから」




「昔より少しバストが良くなったな」




「どうも」




【鑑定】




マリナ=コトナリア=ヨクジェリー




魔力量500/12350




魔法適正炎、水、風、土、雷属性




状態妊娠中




「こりゃあ驚いたな」




「何かあったの?」




「お前、魔法使うの少しやめた方がいい」




「え?」




「マリアが弱いから使うなと言うのか?」




「こいつの強さと反射詠唱の腕は認めているし、そんなことでやめろなんか言うかよ」




「なら」




「はぁ、最近体調不良は無いですか?」




「なんで知っているの?」




「はぁ。それは気持ち悪さでは無いですか?」




「合っている。なんで?ついに超能力者になった?」




「ちゃうわ。はぁ、マティーナといえば分かるか?」




「うん」




「その子の状態は?」




「妊娠中?」




「それがお前にも起こっている」




「でもこの国で屈指の鑑定魔法の使い手に頼んでも分からなかったのに?」




「そいつと僕を一緒にするな。それに妊娠中の表示は妊娠してから三週間経たないと表示されない面倒な作りなんだよ」




「そうなんだ。でもなんで魔法を使ったらダメなの?」




「本気で言っているのか?」




「うん」




「魔法には大量の栄養と魔力を使うからだよ。赤ちゃんに栄養がいかなくなるから」




「そうなんだ。分かった」




「僕はやることがあるかじゃな」




「うん」




数人の眷属と去った。王城の地下に来ていた。






「お疲れ様です」




「どうも。数人借りていい?」




「構いません」




「あとさ、鎖の強化しないと壊されるよ」




「そんなに強いですか?」




「魔法に関してはね」




「いいです」




「エナ」




「はい」




手に魔法陣が浮いてそれを軽く降ると魔法陣に上書きする状態で新しい鎖が展開した。




「サンキュー」




「ありがとうございます」




「気にするな。二人で頼むな」




「はい。おまかせください」




「セバスは俺のところな」




「はい」




鍵を開けてもらって入って椅子に座った。




「どうも」




「何の用だ?何も話さないぞ」




「なら断罪になるかもよ」




「覚悟の上だ」




「家族まで被害が出るぞ」




「娘だけは」




「知らん。それはこれから来る兵士に言ってくれ」




「分かった」




「それでお前の研究会の長は誰だ?」




「そんなの知らんな」




「そうか。それでなぜあそこを責めた?」




「予想はついているのではないか?」




「大体はな」




「古代文明の本があそこにあるって聞いたからな。それで攻めたんだよ」




「やはりな。なぜ言う気になった?」




「気まぐれさ」




「ご主人様、長はジョーク=ナートリ=スクワッドという人らしいです。基地の場所もきちんと教えてくれました」




「さすが、俺の中で拷問に適した魔法使いなだけあるよ」




「それはやめてもらいたいです。私も普通の魔法使いです」




「それは証拠として認められない」




「何故?」




「拷問はこの国で禁止している」




「俺、この国の人間じゃないし」




「なら俺らの取り調べにどうやって」




「君が知る必要ない事だよ」




「クソ」




鎖を思いっきり引っ張った。ドアを開けて出た。




「もういいですか?」




「ああ。鎖の解除方法は魔力を流し込めば外れるから」




「分かりました」




階段を上がって王家の間に行った。




「分かったみたいだな」




「これの処理は俺がする」




「俺たちからも出すぞ。国を敵に回したんだ後悔をさせてやらないと」




「俺の軍で攻める。なら王様は犯人の家族でも連れてこいよ」




「ああ。そいつらの処罰も決めないといけなしな」




「はい。お願いね」




「もう行くの?娘に合わなくていいの?」




「いいさ、何かあれば頼むな」




「ええ」




「無理をしないでね」




「分かっているわ」




「また子供が生まれたら呼んでくれ。出産で必要なら呼んでくれていいから」




「いいの?」




「ああ。普通は出産には男性が関わることは禁止されているが僕はそれ関係の仕事をパスできる資格を習得しているから」




「ええ。頼らせてもらうわ」




「それと知っているとは思うけど、魔法を使うなよ」




「使ったらダメなの?」




「栄養がいかない」




「分かったわ。流産なんかしたくないし」




「いい努力だ。じゃあな」




「騎士団長」




「はい。こちらを」




よく分からない板を渡された。




「これは?」




「空からでも来れるパスだ。玲弥国家でも使えるように手配しておいた。王も喜んでいたよ。ぜひ来てくれ。歓迎すると」




「ああ。本当にじゃあな」




王城を出た。そのまま出口まで歩いた。神剣に会ってないけどまぁ、いいか。出口出て森の中を歩いて向かった。ドラゴンで行くのが早いが探知されると面倒だから歩いていくことにした。僕達はだいたい魔力と気配隠蔽で強敵と取られないことが多い。そのまま進行して前まで来て、




「今回はそれなりに厳しい戦いになる。覚悟しろ」




「はい」




「了解」




とか色々聞こえてきた。魔法使いを先に行かせて剣士も数人行かせた。その後に俺たちが進行した。こいつらが敗れることはないとは思うけど、すごい先頭を繰り広げていた。剣と魔法の打ち合い。俺の眷属は大体が無詠唱による魔法の発動である。炎を剣で切った。次は炎の矢を複数飛ばした。それに対して回避した。それでも交しきれない分は剣で弾いて行く向きを変えたりして守っていたがやはり数本当たる。存続で打ちまくった。それによって壁まで追い詰められた。その子の反撃は止まらない。関係なしに打ち込んだ。最終的にここに攻めてきた人用のトゲトゲトラップによって死んだ。剣の戦い。勢いよく斬りかかったが簡単には行かなかった。当然である。ここにいるものはそれなりの精鋭を集めているから。それでも諦めずに好きを見せたらそこに打ち込んで少しの切り傷を作った。横から斬りかかった。敵が止めた。弾かれた衝撃出を利用してそのまま振り落としたら、地面が柔らかすぎて二人とも落ちた。敵の方が下敷きなって重さと衝撃で死亡した。なんか自爆が大半である。魔法使い対魔法使いの対戦までも存在していた。すごい戦いになっていた。冷却魔法をこっちが発動するとあっちは炎魔法で打消した。その勢いでさらに炎の矢の攻撃が来た。雷魔法放電で打ち消してそれが広がり、魔法の準備が整っておらず、食らった。でも打ち消すためのものだったからそこまでの威力はなかった。さらにそれをしめしめと思ったさらに雷の矢を打ったが土魔法でじめんをあげて防がれた。風魔法で行く向きの変更でそこに行かないでカーブするようにした。それが直撃した。カーブが来るとは思ってもいなくて準備をしていなかった。それによって血が溢れた。それを水魔法による治癒を使った。その間に数回飛んできてそれを普通にくらってしまった。これを連打できるとは思わなかったみたいであった。そのまま血が大量に出てショック死した。予想のはるか上を行く規模だった。俺に当たりそうだったものをセバスが殴っただけで破壊した。セバスは身体系と頭の能力を中心にあげているから軽い魔法程度では気づつくことは無い。ここの戦闘は戦っているヤツらに任せて残りで進行した。もちろん見捨てた訳では無い。勝ち目があるとわかっていて任せたのである。それでなければ俺たちも戦闘に参加する。俺の眷属は普通に強く作ったから問題は無い。中にいるとさらに居た。マジでめんどくさい。




「私がひきうけます」




「任せた」




セバスに任せてフライを起動して天井ギリギリを通って通過した。




「かかってきなさい」




それに反撃したように剣士が攻めた。剣を振り落としたが普通に二本の指で止められて腹にグーパンを食らった。内蔵諸々が破壊された。それほどの威力である。上からその人を守るように大量の魔法が飛んできた。炎、水、雷、土だった。それをタイミングを合わせて交わしながら破壊した。全くのノーダメージ出会った。魔法の無駄遣いである。こいつはレイの眷属の中でトップクラスに入る実力者である。だいたい調べ事に使うことが多い。




「なんって強さだ」




「殺し合いは黙ってしましょうか」




後ろに手を組んだ状態で加速して女性の顔面を普通に蹴り飛ばした。この人は守ると決めたもの以外には躊躇しない主義である。顔の骨と脳が全て砕けた。軽く蹴っただけで骨が折れるくらいの威力を持っている。後ろから来た剣を後ろ蹴で対処した。壁まで飛んでいき全ての骨をおった。魔法を詠唱させないスピードで回った。簡単なことではない。それだけの威力とスピードを持っている。それに天才である。




「片付きましたね」




気配探知でおかしなものを見つけた。地面を殴り穴を開けておりた。そこには鉄の牢獄に閉じ込められている服を着ていない少女達がいた。まだ二十歳もいっていない子が多かった。奥に行くと変な白い液体が女性の体の色んなところに付いていた。五人くらいいた。




「これはひどい」




さらに奥に行くと裸の女性がお尻をムチで叩かれていた。




「これはどうだ」




「痛いです。やめてください」




「そうか。もっと欲しいか」




ベチンベチン。と叩き続けていた。これを見てられないと思い手をつこんで首ごと鉄の杭の方に持ってきて首を絞め技で気絶させた。




「大丈夫ですか」




「はい。ありがとうございます」




「少し待っていてくださいね」




さらに奥に行くと死体特有の匂いが広がっていた。使い古した人間が沢山いた。




「これはひどい」




『こちら処理終了後酷い状況の女性を発見。死体も数順人規模のものを確認』




『ご主人様は戦闘中です』




『了解した。折り返しを待つと伝えてくれ』




『はい』







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