第7話
ナミ編
急に鎧を着た人に話しかけられた時はびっくりしたな。なんでお父様が王様の知り合いなのかよくわかないけど、急用で仕事をしないといけないことはわかった。それに資金もそれなりに出してくれたから一旦は安心してくれせる。身分証明書は普通でありえないとされている王様の判子付きである。私は王様に存在が認められていることになる。とんでもないと思いながら宿を探して格安で綺麗なところに泊まった。二日後の発表の日に行くと首席でSクラスだった。確かSクラスは魔法と剣のどちらかを認められた人しか入れないところ。それも首席だと寮代と食事代と授業料免除のはず。それとSクラスになると施設の利用がしやすくなるサービスまで着いていたはず。凄いものを取ってしまった。お父様は褒めてくれるだろうか。みんなはいいな。親と同伴で来ているものが大半である。受付に行くことにした。
「名前と身分証明書を出してください」
「はい。ナミ=フォン=ジェングリスと言います」
「あなたは首席ですね」
「そうらしいですね」
「なんか寂しそうですけど、大丈夫ですか?」
「はい。大丈夫です」
「それにこの身分証明書、王様公認とは。両親は何をされている方ですか?」
簡単な質問をされる場合が多い。特にSクラスは悪い子や犯罪者を入れない対策である。
「母親は私が生まれてすぐに亡くなってそうです。父親はニートです」
「よくここの資金が出せましたね」
「昔、冒険者をしていたらしくて、その時に稼いだお金とか言っていました」
「そうですか。首席なので入学式の言葉をよろしくお願いしますね。それとこれが制服です。付与魔法が施されています勝手に書き換えないでくださいね」
「はい」
本当にお父様は何者なんだろう。
「あの子ですね」
「ああ。首席とはね」
「炎龍、あの子について知っていることは?」
「国家機密なので」
「そんなレベルか?」
「あの子じゃなくて親の方が」
「犯罪者とか?」
「全く違います。確か、今はニートを横臥しているとメーセージが来ていました」
「本当に大丈夫か」
「大丈夫ですよ。何かあればこの国の王が動きますから」
「そうか。ならいいが」
よくここまで育てたね。それに剣と魔法が一属性であのレベルまで底上げするとはさすがとしか言いようがない。あの子がこっちに来ているなんか言ったら神剣がオーバーヒートするわね。だって今でも愛しているからね。昔から好きでたまらなくていつか勝てるようになりたくて私たちのチームで活躍していたからね。でも勇者があの子を入れたのは予想外だった。そのせいで剣術がたまに乱れていたし。私も色々されたな。王様の提案を受け入れて水着を作成したり、メイドをやってみたり、混浴をしてみたり、本当に恥ずかしいことばかりしている気がしてきた。それに渋々付き合っていたのよね。よくあのチームが死なないで魔王を倒せたのはあの子のおかげね。神剣なんかは今は尊敬しているとも言っていたしね。そろそろこくればいいのに。でもたまに見せるあの仕草を見ていたらできるものも出来ないわね。剣聖とも呼ばれた剣術使いのレイカーコーナスか。
「どうかした?」
「昔のことを少しね」
「昔と言うと冒険者時代?」
「うん。魔塔のことをね」
「好きとか?」
「そんなじゃないし、あの子は今は知らないけど、死んだこのことしか頭にないから」
「え、でもあの子ってソロなんじゃないの?」
「それについてはよくわかないの」
「そっか。思いつめないでよね」
「うん」
胸に顔を埋めた。本当に最高の旦那だよ。結婚式に呼ばなかったのは申し訳ないと思っている。でもあの子が来ると結婚式どころじゃなくなるんだよね。昔から人気だし、それに恋人がいないし、魔法の才能が飛び抜けているから。
入学式も終えて私は一年A組の担任になった。副担は私の旦那さん少しはやりやすいし、フォローを入れてくれるからやりやすい。一応、受験日の数日前に王様に呼び出された。行ってみるとすごく厳しい顔をしていた。
「マティーナ、何かあったの?」
「えっとね。数日前に急にレイくんからメーッセージ魔石を飛ばしてきたの」
「へぇ。それのどこが問題なの?」
「それが」
「私が説明する」
「うん」
「お前が教師をしている学院に娘を入れたいと言ってきた」
「でもそのレベルの才能があるかって」
「ああ。その通りだ」
「それでどうするの。一応、私の学院実力主義だし」
「だから悩んでいる」
「あ、一応、剣でも入れるよ」
「ならそっちに賭けてみるか」
「そうしたら、それで飛行船の方は?」
「形は大体はできたらしい。でも世界をどこを探しても古代魔法が使えるものがいないから悩んでいる」
「私、飛行魔法使える人知っているよ」
「教えてくれ」
「だから先から話に出ているレイなら使えるよ」
「そうか。その手があった」
「すっかり忘れていたんだ」
「ああ」
「それは良かったね。マティーナ、赤ちゃんは順調?」
「うん。今のところはなね」
「王様、お父さんになるんだ」
「ああ。そのうち、お前もなるだろ」
「そうだね」
「不安とかは無いのか」
「これまでよりはね」
「それもそうね」
「色んなことがあったよね」
「ああ」
「私帰るね。おふたりさんの時間を無駄にしたら悪いし」
「そんな気は使わなくていい」
「じゃあね。元気でね。赤ちゃん産まれたら見せてね」
「うん」
帰った。
ナミちゃんは私の予想の遥か上を行った。魔法論は完璧だし、魔導具の知識、魔法知識まで完璧。それに水魔法単品でもここにいる教師を謳歌するものだった。それに魔法の応用までみにつけていた。まだ無詠唱までは行かないが詠唱省略は使えていた。それに水属性しか持っていないのに氷属性を使っていた。魔法の応用の応用である。先生たちはこれを見て驚いた。それは魔法にと止まらずに剣まで凄かった。この国で二番目に強いとされているものの攻撃を完璧に受け流して反撃をして一本もぎ取った。剣術はレイに似っていた。あいつは剣までも完璧に教えこんでいた。教師としての才能もレイは神レベルである。それから授業が始まった。自分で扱えない属性までも完璧に覚えていた。その子に担任が聞いたらこんなこと言っていた。「お父様が、魔法は自分が扱えない属性でも覚えておく価値がある。自分が大切にしている人を救う力になる。それと相手がどのような魔法が扱えるか理解しておけば、対策だってたて放題だぜと言っていました。それにそれを話しているお父様は普段見せない悲しい顔をされていました。だから覚えていおく必要があるんだと思い、覚えています」と言っていた。本当にすごいことを教えこんでいる。それにしても、古代魔法を教えてないのは意外だった。私も気になって廊下で話しかけてみた。
「ねぇ。ナミちゃん」
「はい。炎龍先生」
「それやめて」
「いいじゃないですか。かっこいいです」
「そうかな」
「そうですよ。それで何か用ですか」
「ああ。君のお父さんってレイでしょ」
「どうして名前を」
「書類に書いているし」
「ああ」
「それで古代魔法についてその人はなんって」
「古代魔法は失われ技術だ。それは伝えていいものでは無い。それに魔法には至ってはならないところがある。それに至った時は人間は人間としての尊厳を失う。だから古代魔法には手を出すな。出したなら全力を持ってお前を殺す。と言っていました。その代わり、それ以外なら好きなだけ教えてやると言っていました」
「そっか」
「至ってはならない所ってなんですか?それがどうしてもわからないです」
「本とかには載ってないの?」
「はい。どれほど古文明の本を調べても出てきませんでした。その前にそれに至った人がいるかどうかも分からないのに」
それに至ったのが君の親じゃないかな。多分、私の推測だけどねなんって言えるか。
「そうだね。私も少し調べてみるよ」
「はい。次の授業がありますので」
「うん」
少し小走りで言ってしまった。
「至っては行けないものって何?」
「さぁ?」
「そっか」
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