アテナたんと神々の女王
とりあえずコレを放置しておくわけにいかんので、一応娘として育てることにして神殿に連れて帰った。
案の定ヘラが「誰に産ませたの!?」とキレまくってたが、「ワシが産んだ」と言ったら黙ったのでヨシ。
なんだかジト目で睨んでくるが、嘘は言ってない。
「あなた、ほんとにこの人から産まれたの……??」
心底疑わし気に目の前に浮かんでいるアレをつついている。
「つっつくなー!」
「父上があまりに頭が痛い痛いとぎゃーつく騒いでうるさくてかなわないので斧でカチ割ってみたんですよ、頭。そしたら中から出てきました」
……が、ぎゃーつくうるさいって何だ。父親にむかって。
これでも神々の王なんだぞ、一応。
「頭カチ割ったら中から出てきたって……そういうのも産んだって言うのかしら……??」
「どうだ。そうそう真似はできんだろう」
「そういう問題ではありませんわ!!」
ヘラのやつ、頭を抱えてしまった。
「なんだ、あたまいたいのか? あてながわってやろうか? おとうとかいもうとがうまれるかも!!」
「やめなさい。母上はまともだから割ったら普通に死にます、たぶん」
慌てて止める息子。
何だかそれじゃワシがまともじゃないみたいじゃないか。
というか、多分って何だ多分って。
「……何はともあれ、この子はうちの子ということで、ここで一緒に暮らしましょう。アテナと言いましたね?元気なのはとてもけっこうですが、壊したものは自分で直しなさいね。わたくしのことは母上と呼んでくれると嬉しいわ」
「わかった! ははうえよろしく!!」
したっ!!と手を挙げて挨拶するアテナ。
元気っ娘かわいい。
ヘラも気に入ったようで頭を撫でてやっている。
とりあえずいったんは丸くおさまったようでワシはほっと胸をなでおろした。
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