第4話 彼女は最高のパートナーだった。
男と女の関係というものは意外とそんな物なのかもしれない。
俺が抱えていた心配も不安も今考えると馬鹿馬鹿しくなるほど、あっけなく不安は払拭された。
二人が深い関係となった朝は、
いつもなら俺より早く起き朝食の準備を行っていたのだが、この日の朝だけは目は覚ましていたが俺の寝ている姿をずっと見ていた様だ。
その姿を愛おしく感じた俺は、再び
昨晩の行為で用意も無しに体を重ねた事を考えると、今更という気はするが・・・。
だが俺は昨晩の行為に関しては、全くの後悔はない。
むしろ男と女の自然な行為であり、もし昨晩の事が原因で
覚悟という言葉を使ってはいるが、俺の胸の内にはそんな大層なものは無い。
むしろ俺自身が、そうなる事を望んでいる気持ちが強くある事を強く強く感じていた。
今まで、どの女と関係を持ってもこんな感情は湧き上がらなかった。
そう、俺は
そう感じている自分に酔っているのか、定かではないが時間は着々と過ぎ去っていった。
最初に声を上げたのは
「大変、もうこんな時間・・・朝食作らないと・・・。」
シーツで体を隠す様にベットから起き上がろうとする
俺の行為に俺の顔を見入っている真里香。
何故、制止されたのか理解が及んでいない様だ。
「今朝はいいよ、
何となく間抜けな言葉を放ってしまったが、俺にとっては
「ダメ、朝食は一番大事なの、食べないといけません!」
俺が朝食を食べたくないと勘違いしたのか、頬を膨らましている表情が何とも愛らしい。
「そういう意味じゃないよ、
真里香はおれの発言を聞いて、今更ながら顔を赤らめシーツで顔を覆い隠してしまった。
昨晩の行為を思い出し恥ずかしくなったのか、無言になり固まってしまったかのように・・・。
「やっぱり今日は無理しない方が良いね、たまにはいいじゃないか、今朝は二人でモーニングでも食べに行こう。」
すると
「うん・・・ごめんなさい・・・。」
今の
「
洗顔をして歯を磨き、髭を剃るそしてシャワーを浴びていた
全身を洗い、脱衣所にて体を拭いたら終了。
いつも
出社準備と言われても着替えて、カメラバックを持ち出すだけだが・・・。
化粧っけの無い
メイクをバッチリする女の朝の時間はどのくらい架かるのだろうと、くだらない思考を巡らせていると
「
そして俺の手を引き、再び部屋の中へ、鏡台の前に座らされた。
ドライヤーを出し俺の髪を乾かす
以前ならこんな行動は行わず、髪を乾かしていないと頬を膨らましながら注意されるだけだった。
やはり関係が深くなったのが原因だろうか?
「はいおしまい、ハンサムさんのできあがり!」
俺の髪をセットし終わった
「ハンサムさんって・・・。」
俺の言葉に、すこし照れているのか今度は頬を赤く染め俯き加減になってしまった。
「私、今まで恥ずかしくて
「でも、今日からは変わろうと思う・・・。」
「私が
確かに俺と
「そうだな、これからはお互いに遠慮なんてせずに言いたい事はちゃんと言い、やってあげたい事は積極的に行動しよう。」
「相手の行動が嫌ならそれもちゃんと嫌だと言い合おう。」
「それが原因で喧嘩する事もあるかもしれないけど、それも後になれば笑い話になるはずだ。」
照れていた
「そうだね、私もこれからは積極的になる・・・。」
「遠慮なんてしてたら、損だものね・・・。」
そして俺達は朝食を取る為、部屋を出た。
移動の際、
「早速、行動しているね。」
「遠慮なんてしないって決めたばかりだから・・・。」
当然だが、まだ慣れないのかどこか行動がぎこちない。
「あの、あのね・・・私の行動が嫌ならちゃんと言ってね・・・。」
「別に嫌だって思った事は無いけどな・・・。」
「まあ、そう思ったら当り障りのないように言うよ。」
「ダメ! はっきりと言ってほしいの。」
「?」
不思議そうにしている俺の表情を見て
「だって、喧嘩したくないもの・・・。」
俺は思わず吹き出してしまった。
現時点で俺は
現に今だって変わろうとする
「喧嘩したくない」という心配など全くの杞憂だった。
何故、俺は
今になって思い返すと、
「本当・・・女々しいな・・・。」
俺は
「誰が女々しいだって!」
「俺は『セクハラおやじ』ってこの女に言われたんだぞ!?」
俺が
「そうよ!
全くこの二人は普段はそうでもないのに、口論し始めたら俺が制止しないと止まらない・・・。
「俺はさ、二人共喧嘩している時以外は意外と気が合うと思うんだよな。」
「昔から言うじゃないか、「喧嘩する程、仲が良い」って・・・。」
「・・・そっか、二人はお互いを意識しているからそんなに喧嘩しているんだな!」
「二人共、いっそ付き合っちまえよ!?」
俺の言葉に二人は拳を震えさせていた。
「誰がこんな『セクハラバツイチおやじ』と付き合うか!」
「見た目だけ良い腹黒女に興味ねーよ!」
俺の一言は火に油を注いでしまったらしい・・・。
「見た目が良くて何が悪い、セクハラばかりしているおっさんよりマシだわ!」
「セクハラなんてしてねーだろ! バツイチってなんだよ! 旦那と不仲なくせにバツイチにもなれないお前に言われたくねーよ!」
そして
その変化に気付いたのか
「
気を使っているのが傍で見ていてわかる。
「・・・あたしだって・・・別れたい・・・。」
「悪かった、俺の負けだ、言い過ぎたみたいだ、その事についてはもう言わねーからかんべんな?」
普段はガサツな男だが年齢が一番高いのもあるのか、この中では一番大人なのかもしれない。
「あたしが別れたくても
「
「子供も居ないし、財産割り振りしなくていいと言っても別れてくれないのよ!?」
「どーすりゃいいのよ、あたしは!?」
普段、良くしゃべるが、本心があまり読み取れない
その
どうやら、この問題は
「話せよ、
話して少しでも楽になれるならと俺は提案した。
話したくなかったら、
「そうだな、話せば少しは楽になるかもしれないしな・・・。」
「俺に聞かれたくなければ、俺帰って良いし・・・。」
自分と
そして
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