第4話 双子の想い。
思えば今一緒に暮らしている、
人間不信だった俺に対して、唯一心から信頼できる存在となった
欲を満たす為女癖の悪かった俺が、
そして唯一いつも共に在りたいと本心で思う存在である
俺はそんなものは信じてはいないが、もし神や運命というものが存在するならば、
そう思えば、俺がカメラを職業としている事、そしてカメラのファインダーを通して人の悪意を感じる中途半端な能力も、
まあ、起こった結果を後からまとめれば、いくらでも都合の良い解釈をする事は出来る。
だが、
あるいは何も与えないのだろうか?
業務を終え、俺はいつもの様に真っすぐ帰宅する。
もともと人間不信の俺は人付き合いを避けて来た。
唯一、プレスライダーの
だが、バイクバカの
よって業務終了後に酒を飲みかわす事はない。
人付き合いもしない俺は、当然真っすぐ帰宅するのが日課となっている。
昔は帰り際に風景写真を撮影するのを個人的な趣味としていた。
だが今は自宅には
唯一、俺が信頼して・・・いや愛しているといっても間違いのない存在だ。
4年も一緒だというのに、全くと言い切って良い程、
むしろ、様々な情が深くなっているように感じる。
無論、良い方向に・・・。
帰宅後、俺は
驚きを隠せない表情を俺に見せる
「そっか・・・
「ああ、本当驚いたよ、こんな偶然もあるなんてね。」
「本当に偶然なのかしら・・・。」
「何言ってんだよ、偶然だろ
こういった表情で考え事をする
「
「俺は何言われても、気にはしない、今までだってそうだったろ?」
俺は
そして気を使っても欲しくない。
ただでさえ、我儘を言う事の無い女だ、何でも話して問題があるなら二人で相談して解決して行けばいい。
「・・・うん・・・、そうだね
俺を信じて全部話す?
俺が知ったらまずい事なのだろうか?
「昔・・・うん私達が小さかった頃・・・私達が喧嘩をしたの覚えている?」
「ああっ。」
「前、話したよね?」
「私はその頃からずっとずっと、
「うん、よく覚えてるよ・・・俺は本気で嬉しかったしな・・・。」
ファインダーを通して人の悪意を感じる俺が、
それだけでも十分なのに、幼い頃から俺の事をずっと思っていてくれた。
無下に出来る訳ないし、俺も
「ありがと・・・。」
暫くの間があり、
「中学生になった私達は、すごくモテたの。」
「
「そしてね、高校生になったら、
「お化粧とかもして、まるで
姉の
「あのさ・・・出会った時も言ったけど、君は女性としての魅力は十分にあるんだよ?」
「君はそれを生かしてないだけなんだよ。」
俺は別にその事を責めている訳では無い。
むしろ化粧をして更に綺麗になった
「私はね、
「
「私は
「・・・だから私は、化粧もしないし地味な見た目になる様に生活してきたの・・・。」
女の魅力を表現しきれていない
その理由は、おとなしいといって良い
「まったく・・・そこまでしてくれていたなんて・・・
正直、
俺は彼女には聞かなかったが、
だが、性格的な理由から彼女は年相応の興味を捨て、俺の為に我慢してくれている状態だったのだろうか?
「ありがと・・・。」
「そして、ここからが本題ね・・・。」
俺は
「私とは違って、
「本当に男の子達から人気があったのよ。」
「何度も何度も告白されているって話を聞いた事があるけど、全部断っていたらしいの。」
俺は何故この話がそこに繋がるのか理解できなかった。
「
「・・・ごめんごめん・・・言っとくけど
「まったく、そんな感じすら今思い返しても毛ほどにも感じなかったよ・・・。」
「
「
そして、真里香の表情が不安そうな表情へと変化した。
「
「きっと
「そうなると・・・きっと・・・。」
「あんなに明るくて綺麗な
これが
正直、俺に対しては心配に及ばない。
だが、本人にすれば話すのも躊躇する物だったのかもしれない。
隠し事はしたくないと話していて実際本心からもそう思っている俺の要望に応える為、
こんな
「大丈夫だよ、
「俺にそんな気はないし、
少し照れ臭かったが、彼女の誠意と言葉に対するには、本心を言うしかない。
「俺は・・・
俺の呟く様な言葉を聞いた
ファインダーを通して悪意を感じない唯一の存在である、
どちらを取るなんて明白ではないか。
立場を無視して言わせてもらえば、俺の中では
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