第22話 異変。
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「――なさい」
「起きろぉぉぉお!!」
「んあ?」
オレはいつも通り、身体をゆすられ目を覚ました。
「ほーんと。死んだように眠っちゃって! 遅れるよ!」
「…………ああ、なんだ。ゆいか」
ここまではいつもノータイムで返答してしまう……。
「なんだじゃないよ! 何時だと思ってんの!」
「うーん、大惨事」
しかし、遅刻仕掛けているのは知っているので、ベッドから立ち――。
「うおっと!」
オレはバランスを崩してベッドに座り込んでしまった。
景色がぐるりぐるりと渦を巻く……。
うう、気持ち悪い…………。
「何やってんの。ほら、早く着替えて」
「ん……。って、着替えるから出てってくれよ!」
変な気分も最後には軽いめまいで治ったけど、夢の中でコーヒーカップにでも乗ってたかな。
十月一日。
「ふわぁあ〜」
オレは今日何度目か判らないあくびをした。
「きゅうちゃん、今日は特段に眠そうだね」
「ああ。ちょっと『よ』更かししちまってな……」
あ、夜更しじゃなくて、世更かしね! あんまうまくないな……。
にしても、今日は朝からどっと疲れてるな。前回の一週間が少しおかしかったから、その反動か? いまさらになって意味もなく情報が増えたからだろうか。
まぁ、気のせいだろ――
「きゅー太。何か今日元気なくないか?」
――なんて思っている時代が私にもありました。
「そうか? いや、まぁなんとなく疲れているのはそうなんだが」
実際、いつもより視界が暗くて、狭くなってる気がする。
今朝のは発作とかじゃなくて、本当に体調を崩していたらしい。
「ああ。顔とかなんか蒼っちろいもんな」
といいながら、どさくさに紛れてケータイでパシャリ。
「ほら」
「お前、オレの変な顔撮るの……ああ、本当だな。顔面蒼白だ」
自分で言うのもなんだが、ゾンビに甘噛みされたみたいになってる。
「だいじょうぶか? 保健室行くとか、早退とかした方がいいんじゃないか?」
「いやいや。ただの寝不足だって。今日は早く寝るよ」
とはいえこの時間軸で言う、昨日は何時に寝たかはもう、よく思い出せないんだけども。
「それがいいぜ……。さすがにそんな顔じゃ……あー、でも、ヴァンパイアの仮装とか似合いそうだな」
「ハロウィーンまであと三十日はあるんだが?」
それに、オレは十月九日を超えないといけないからな。
オレはこの日、家に帰るとすぐに泥のように眠ってしまった。
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