第13話 いいヤツ。

「ふわ~! 久しぶりにこんなに遊んだぜ!」


 満足そうに言って伸びをした。


「午後サボっちまったけどな」


「でも、いい気分転換になったろ?」


「まぁな。……あ、金は返す」


 オレは千円札すら持っていなかったから、今日遊んだ金は全部こいつが払っている。


「いいって。俺が無理やり引っ張り出したんだしな!」


「いや、払うよ。……でも、なんで学校抜けてまで、遊ぼうなんて思ったんだ?」


「うーん。特に理由はねぇな。だって楽しそうだろ? 学校サボってまで遊び尽くすなんてよ。前からやってみたかったんだよな。学校サボって遊ぶって」


 そう言い(誤魔化し)ながら頭の後ろに手を組んで、夜の方を見た。


「……ハハッ。そうだな」


 オレとお前の仲だぞ? そんな下手な誤魔化し方でやり過ごせるとはまさか思っていないだろうな。

 

「だろ?」


 ああ、そっか。お前は知らないんだよな。オレはお前が思うほど、お前のことをよく知ってんだぜ?


 お前はちゃらんぽらんなふりをしておいて、誰よりも人に気配りできて、優しくて――。いい友達ヤツだよ。本当に。

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