追悼27 可笑しいの連鎖
綾小路「可笑しいんですよ、このビラ配りの件」
神宮寺「何が可笑しいの?」
綾小路「無許可でビラを配った遺族側が注意されたのは分かります。捜査の混乱や
警察署の連絡先を載せていましたからね。でも、遺族側が道警本部からは
何も言われていませんが、と返すと、旭川東警察署の男性警察官は、僕の
個人の意見です、と電話を切った、そうです」
財 津「道警本部ぐるみというより、旭川東警察署の問題か?」
蜷 川「道警本部の意向が働いていたなら旭川東警察署の警官は自信をもって遺族
側を捻じ伏せていただろうからな」
綾小路「防犯カメラ映像ですがその後、再三の遺族側からの要望で調べたみたいで
す。が、持ち物が一致しないとか情報は教えられないとかの理由で明かさ
れていません。見せられない、教えられないは、そこに今後の展開を左
右する何かがあったとを証しています。過去の経験談ですが」
財 津「ちょちょちょ、持ち物が一致しないって言っていたのか」
綾小路「はい、そう聞いています」
財 津「持ち物は兎も角、桜子さん本人を確認しているのか?神宮寺君…」
神宮寺「もう、やっている」
綾小路「当時、遺族側はそこまで気が回らず、確認していなかった。後日、その点
を追求た。警察の対応は、遺族側の聞き間違いとか映像が悪くてとか誤魔
化されて真相には至っておりません」
神宮寺は、話を聞きながらPCを操作し、監視カメラのデータを探ったが遮断か削除され、ハッキング出来ないでいた。
神宮寺「だめだ」
財 津「隠さなければならない映像がそこにはあった、例えば、同伴者、車か」
三 上「何故、隠すのよ」
蜷 川「それは警察にとって不都合な情報だということだ」
三 上「不都合って?関係しているって自白しているようなものじゃない」
綾小路「ちょと待ってください。私の発言は皆さんをミスリードするものではあり
ません。冷静にお願いします」
財 津「心配、要らないよね」
一同は、それぞれの思いで頷いた。
綾小路「毒を食らわば皿まで、ですね。気を取り直して、ふう。桜子さん失踪当
初、遺族側は警察から公開捜査を提案され承諾した、が一向にされなかっ
た。遺族側は警察に問うと桜子さんのプライバシーを考え行わないことに
した、と」
三 上「桜子さんが怪しげな薬物でも買っていたとか、援助交際をしていたとか、
秘密の交友関係?それとも、やっぱり、一緒に映ってた人物がいるならそ
の人物の個人情報?でも大事なのは、桜子さんの安否・保護でしょ。プラ
イベートって」
綾小路「公開捜査に踏み切らなかったのはマスゴミ対策です。事実、警察の捜査に
不信感を抱く遺族側は地元メディアに協力を求めるも、公開捜査になって
いないことで断れています。唯一、対応してくれたのは地元のメディア・
あさひかわ新聞でした」
財 津「よく対応してくれたねぇ」
綾小路「あさひかわ新聞は、北海道旭川市をエリアとして発行する日本新聞協会非
加盟の新聞社です。1992年11月、旭川市内で発行していた『日刊旭川新
聞』が廃刊。翌年6月、同紙の記者ら有志が集まり「北のまち新聞社」を
設立、あさひかわ新聞を発行した。週1回発行。公称23,000部。北海道テ
レビ放送 (HTB) と提携しているところです」
財 津「なるほど、骨のあるジャーナリストってわけか」
綾小路「そう願いたいですね」
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