大粛清 三
・マスコミ、メディア
TV
テレビ局局長、ならびに幹部役員が受けた真罰は"電映の罰"。自身が家庭用テレビと同化し、街頭に設置され、ひたすら番組を流し続けるというものだった。
個々人によって流す番組のジャンルは変化する。一見大して苦しみを味わう事がなさそうな罰だった決してそんな事はなかった。人としての意識がしっかりあるのに出来る事は番組を映し続けるだけ。何も楽しみがない。
地獄の苦しみだった。
愚かなリポーターたちも真罰を受けた。額からマイクが突き出し、口から言葉を発する事が出来なくなった。声はマイクからのみ発せられた。だが喋る度に激痛が走る。真罰名、"沈黙の罰"。受罰者は世間の人々から"お喋りゴミ野郎"と呼ばれ蔑まれた。
放送形態も変化した。民間の放送局は2局に統合、国営放送はほとんどの関係者が即刻解雇され放送法違反で逮捕された。低賃金で酷使されていた下請け会社のスタッフの多くが放送局の正社員として採用された。放送は無料で提供された。
民間、国営どちらも放送時間は短縮され朝の6時から夜の12時までとなった。くだらないバラエティ番組は姿を消し、良質なクオリティを持つ番組が創られた。報道にも変更があった。事件の被害者は仮名で報道され加害者は実名で報道された。加害者の職業表記は廃止。偏向報道する番組関係者は一斉に処分された。
新聞
新聞社社長並びに役員の多くが真罰を受けた。事実と異なる報道をした記者が受けた真罰は"
衣服を身に着ける事が出来なくなり、外出も全裸で行なわなければならなかった。引きこもりは許されず、自分の意志に関係なく外に出てしまう。特別措置として受罰者に対してわいせつ物陳列罪には該当しない事が決定された。掲載期間は一年間であった。
出版
モラルの無い大手出版社の経営者、並びに幹部役員が真罰"
漫画家や小説家は出版社に奴隷の如く働かされ搾取されていたがすべて解放された。自分の好きなように作品を創る事が出来た。作品の物語を利益優先でむやみに引き延ばしたり、マンガや小説に対し愛情を持たない編集者は即刻解雇され真罰"
編執の罰は受罰者のこれからの人生を出版社のホームページ上にて閲覧者が複数の選択肢の中から選択し、最も多い選択の通りに人生が展開される罰である。ただ選択肢はどれを選んでも苦痛を味わうものになっている。
真神は言う。
「かつて言葉は非常に大きな力を持っていました。
言葉を貶めた出版・マスコミ関係者すべてが真罰を受けた。"言霊の罰"。彼らは一切言葉を見る事も書く事も話す事も出来なくなった。真罰は彼らがその一生を終えるまで続いた。
・金融
銀行、金融業
多くの金融業者ならびに銀行のトップや幹部役員、管理職の地位にある者が真罰を受けた。"
だが増え続ける体重の為動くのも辛くなっていく。最終段階では肉体が完全に金属と化しその場に静止。一か月と3日後、粉々になり硬貨と化した肉片を周囲にばらまく。
・通信
キャリアと呼ばれる大手通信会社は暴利を貪っている。当然真神のメスも容赦なく振り下ろされた。ほとんどの経営者ならびに幹部役員、一部の現場責任者が責任を取らされた。彼らは"電波の罰"と呼ばれる過酷な真罰を受けた。
自らが通信インフラのアンテナとなった。既存アンテナと同化された彼らは死ぬ事も出来ず、アンテナから発生する電磁波に日々苦しめられている。
・インターネット
ネットの書き込みは完全実名で行われる事となった。ネット上にはいい加減な記事が乱発されていたが、記事の署名制度が取られ書き手は実名を名乗らればならなくなった。各インターネットプロバイダーは真神連盟情報連の管理下に置かれた。
誹謗中傷を行うネット民たちにも真罰が下された。"
精神がおかしくなるものが続出した。だが配信を止めるには善行を積むしかなかった。誹謗中傷の書き込みをしていた者の中には優秀なプログラマーも複数いた。彼らはビジネスに役立つアプリケーションを開発し無料でネット配布した。"羞恥の罰"は止まった。
彼らは後に世界一優れた検索エンジン"
ちなみに真神の介入により光通信の導入が急ピッチで進められた。2001年登場後、格安で提供される必須インフラとして瞬く間に普及、2003年現在の普及率は99,8%を超え日本は世界一のインターネット大国となった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます