『お払い箱』 中の上


 ジポン独裁政権は、決して秘密は語りません。


 秘密こそ、独裁の奥義であるからであります。


 欧米諸国と、アジア中大国連合などは、『大災害』以前に、火星基地の建設を始めておりまして、すでに、かなりの移住民が、火星に永住しておりました。


 しかし、『大災害』により、支援物資の輸送や、新規の移住者の搬出は、どこも止まったままになりました。


 移住者たちは、あらゆる面で、自活しなければ、ならなくなりましたのです。



 乗り遅れた、ジポン政府は、得意分野で、新たな方策を、開発したのです。


 それこそが、『御払い箱』でありました。


 

 『御払い箱』に放り込まれた人は、原子分解された上、火星に集団送信されます。


 そうして、火星本部で、再構成されるのでしたが、もともとそのもとのまま、にも再構成できる上、適当に材料を混ぜ合わせたり、改造したりすることも、自由自在でありました。


 食糧にも、なります。


 つまり、大いに役に立つように、さまざまなものに、改造できるのであります。


 これこそ、ジポン政府の、切り札でありました。


 宇宙ロケットは飛ばせないけれど、安直に、火星を、闇から支配しようとしていたのです。


 役に立たない国民を、役に立つように直して、火星基地(月基地も、もちろん。)に、労働者や食糧として、適価にて、供給するのです。


 これは、もちろん、国際的な、秘密でありました。



  ………………………………………



 パンダ議員は、すでに、だいたい、その通りのストーリーに到達しておりました。


 しかし、証拠が必要です。


 『自分が行くのが良いが、残念ながら、危険すぎて、しかも適当な力がない。また、議員は、対象外になっている。そうした箱は、国会や、議員会館、政党事務所にはないからなあ。公には、役立たずを、消す。だけ。残った人々には、選民イメージを与えると同時に、恐怖心も与えてしまう。巧みというか、おバカな政策だ。しかし、みな、乗せられてしまっている。さあ、どうするかなあ。へたに情報を発信しても、バカにされるだけでしなあ。まてよ、ふん。ふう〰️〰️〰️〰️ん。』


 パンダ議員は、かなり、大胆なことを、やろうと決めたのでした。



       🐼

        


 



 

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