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「どういう意味かはわからない…でも、赤のような感じだった…」
「赤のような感じ?」
「そう。赤のような感じ。鈍感なわからずやを引っ叩くようなそういう感じ」
彼は何度か頷いて微笑んだ。彼女は言葉を口に出し始めた時、顔を上げて呆然としていた。
彼女の頬の色が言葉になって抜け出ていってしまったような、色ならば白のような無防備な顔をしていた。
「らしいね」と彼は言った。
彼女はようやく彼の方に顔を向けた。
「私も教えたんだから、神おじさんも教えてよね?」
白の顔のまま揺らぎのない言葉で伝えられると、彼は少したじろいだ。
きっと同棲する彼女に結婚を唆されるというのはこんな感じなのだろう。
彼はどうにか気持ちをはぐらかした。
「私があくまでも女性だとしたら、わかるよね?って読むね。そして、後の歌詞は言わない。相手にそのまま投げる」
彼女は表情を変えず、彼の顔をじっと見続ける。
そして、喋り出す。
「とりあえず、神おじさんが悪人だってことはよくわかったよ」
彼女は白い歯を見せて大きく笑った。
そして「でも」と続けた。
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