第2章

第14話

「おはようございます。レオン様」


 レオンたち一行が、伯爵領を発ってから、約三日。

 レオンたちはすでにタスフェルドの領地に足を踏み入れ「は?」


 レオンは、自身の体と今いる場所を見比べる。


(いや、え、は? なぜ、私は生きているんだ?)


「レオン様……?」


 混乱のあまり、完全に静止するレオンにルナールは心配そうに声をかける。

 その言葉にレオンはハッとしたように顔を上げる。そして、徐ろにルナールに近づいたかと思うと、ルナールを抱きしめる。


「レ、レオン様!?」

「よかった、生きてる……」


 レオンはとりあえず、理屈は傍に置き、ルナールが生きていることに感謝した。


「怖い夢でもみたんですか?」

「まあ、そんなとこ」

「仕方ないですね」


 よしよし、とからかい気味にレオンの頭を撫で始める。


「……もういい」

「もういいんですかー?」


 流石に気恥ずかしくなったのか、手を払い除けルナールから距離を取る。


「うん、ありがとう。少し考え事をしたいから、ちょっと一人にして」

「? わかりました」


 レオンの態度に違和感を覚えながらもルナールは馬車の外に出る。


(さて、一旦、整理するか)


 レオンは現状を整理するためにとりあえず、世界間売買を開いた。


「な、これは……」

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