第13話

(ーールナールが死んだ)

(目の前で)


「チッ、これだから、この仕事は嫌いなんだよ」

(胸を貫かれて)


 男らのリーダー格の男が言う。しかし、その声はレオンには届かない。


「おい、坊っちゃんよ。とっとと殺されろよ」

(死んだ)


「おい、聞いてん「来い、小銃」あ?」


(よし、決めた)











(こいつらを全て殺す)


《保有者の強い想念を確認。想念を糧に強欲の権能が成長しますーーERROR、強欲の権能の成長を分別の権能が阻止しました。分別の権能が強制的に活性化します。異能、数多事象の観測者インフィニット・アブソーブを獲得しました》


 レオンは声に反応することなく、静かに小銃を構える。


「は、なんだそのヘンテコな杖は、笑わせーー」

「死ね」


 ーーダダ、と言う音とともに銃口が光る。


「ーーはあ!?」


 リーダー格の男に横から降り注ぐ銃弾の雨に血濡れのナイフで対応する。

 キンキン、と銃弾を捌くリーダーとは違い、ほかの男達には、そのような技量はないようで、適当に撃ち込まれる弾丸に対応できずに身体に穴が空いていく。


《生物を殺害しました。魂の回収を始めます。成功しました。人間の魂を糧に強欲の権能が成長します。神器との繋がりが拡張されました》


 声になんの反応もなしにひたすらに銃を撃ち、イメージだけで新たに弾丸を購入、リロードを行い続けることで、絶え間なく銃弾を浴びせ続けるが、無理を重ねた銃が音を上げる。


「壊れたか」


 無理を重ねた銃は、完全に沈黙し、銃撃が止まる。しかし、あのような銃撃に耐えられる人間などおるわけもなくーー

















「『暗殺』『投擲』」


 リーダー格の男の声が聞こえたかと思うと、レオンの首から上が吹き飛んだ。


《保有者死亡を確認。異能、数多事象の観測者インフィニット・アブソーブが発動します》


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