第2話
儀式から数日の日が経ち、レオンは現在、伯爵邸の使用人と一緒に食事の準備をしている。
職業適正が商人ーー下級クラスだったことが、貴族的にまずかったため、暗に勘当を示唆する仕打ちを受けているのだ。しかし、現状、レオン以外に跡取りとなることができるのが、弟だけなのだが、その弟になにかあった時の予備として、一応、弟の儀式までは、ここに置かれることになるのだ。
まあ、ゲルトも相当、頭に来ていたようで、このように使用人と一緒に働かされていると言うわけである。
「レオンさーーレオン、芋の処理終わったか?」
「ええ、終わりましたよ。どうぞ」
ゲルトは、使用人たちにレオンのことを、呼び捨てにするように命令しているため、使用人たちも言いづらそうにしながらも呼び捨てにしている。
「早いな。しかも、ちゃんと剥けてる。その、ぴーらー? ってのはすごいんでーーな」
「運良く手に入ったのですよ。父には内緒でお願いします。まあ、もっとも、こんなことに気にしてないとは思いますが」
ピーラーとは、勿論のこと地球から取り寄せたものである。
これを手に入れたのは、儀式直後に部屋に軟禁されていた頃まで遡る。
儀式直後。
「私が良いと言うまで出てくるなっ!」
下級クラスという予想外の結果に憤慨したゲルトに、レオンは伯爵邸の自室で待機しておくようにと怒鳴り散らす。
パリーん、と割れる音が屋敷に響き渡る。どうやら、廊下の調度品に八つ当たりをしたようだ。
「安くもないと言うのに……」
レオンも呆れた顔で呟く。
(さてさて、これからどうしたものかな。まさか、下級クラスになるとは……これから、良くて追放かな)
今後の身の振り方を考えているうちに、儀式に聞こえた不思議な声を思い出す。
(そういえば、なんか、変な声が聞こえたな。確か、神名がなんだの、異能がなんだの……【世界間売買】だったか?)
そう、レオンが考えた時のことだった。急に視界が狭まる。
レオンの目に前に青いウィンドウが現れたのだ。
(こ、これは……)
世界間売買
▶︎世界
▶︎購入
▶︎買取
▶︎鑑定
▶︎神器
(え? なにこれ)
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